風化しない大虐殺の事実

天津市 国際人権日、壁新聞が伝えた天安門事件の真相

国際人権日である今月10日に、天津市の数か所のバス停に、『六四天安門大虐殺』を題とした手書きの黄色い壁新聞が貼られ、多くの市民が足を止め新聞を読んだ。中国語メディア「博聞社」が22日伝えた。

新聞には、「1989年春から夏に北京を始め全国各地で起きた、青年学生を中心とした多くの市民が参加した偉大な運動は、反腐敗、反官倒(官僚が権力・コネを利用し闇取引をして不正な金をもうけること)の抗議活動であった。またこの運動は真実を述べ、(国民の)権利を求める民主運動で、変革を求め、中国復興を望む愛国運動でもある」「しかし、鄧小平をはじめとする中国共産党政権は(鎮圧のために)30万人もの人民解放軍を投入し、6月3日夜から4日の早朝まで、反腐敗の抗議をしている武器を持たない市民や学生たちを、装甲車で轢き、銃を発砲し、殺した」と述べられている。

そして「中国共産党は今も、インターネットやメディアで情報を封鎖しており、この歴史の真相を知る若者がますます少なくなった。当局は、われわれ国民が馬鹿のように過去を忘れることを望んでいる」と批判した。

また、毎年香港や台北だけではなく、アジアや欧米各地で「六四天安門事件」を記念するイベントが行われていることも述べられており、「社会正義のために、中国が法治的社会になるために、中国の将来のために、天安門事件が再評価されるまで国民全員がこの歴史を忘れず、真相を伝えるべきだ」と結んでいる。

最後には「中国大陸『六四』平反(再評価)促進委員会代理委主席 張長虹」と署名が記されている。

「博聞社」の報道によると、中国大陸『六四』平反促進委員会は2011年に設立されたという。張長虹主席は過去にも天津市内で壁新聞を貼ったことがあり、天津市警察当局に数回刑事拘留や行政拘留されている。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
【大紀元日本1月30日】在北京カナダ大使館の公電によると、1989年の六四天安門事件の前、当時の中国最高指導者らが執政を放棄し、莫大な資産を中国からスイスに移して国外逃亡を計画していたことが明らかにな
香港有力紙・明報で天安門事件に関するトップ記事が編集長の独断で取り下げられた。香港記者協会などは「報道の自由の破壊」や「天安門事件への関心を薄める狙いがある」と強く批判した。民主
【大紀元日本6月5日】1989年に武力弾圧された中国学生民主運動「六四天安門事件」は4日で26周年を迎える。中国政府は例年通り、期間中に人権・民主活動家や遺族を軟禁するなど草木皆兵の警戒態勢を敷いてい
【大紀元日本6月5日】「六四天安門事件」26周年の4日夜、香港島のヴィクトリア・パークで毎年開催の追悼集会が開かれた。主催者の香港民主派団体「支聯会」の発表では13.5万人が参加した。 集会は午後8時
世界的に有名なニュース写真や映像を配給する「コービス・イメージズ」が、中国企業に買収された。コービスは1989年の天安門事件に関する写真も大量に保有しており、多くの海外メディアは、これらの写真が自由に使用できなくなるのではと懸念している。香港メディアが今月25日に伝えた。
香港「6.4記念館」(天安門事件記念館)は政治的圧力と資金問題で今年6月4日以降閉館する見通しだ。14日付英BBCが伝えた。
1989年6月4日、北京の天安門広場で、民主化運動を軍が武力鎮圧した「六四天安門事件」が起きた。中国共産党政権はこの日、天安門広場に集まった学生を中心とした丸腰の一般人に、戦車で無差別に攻撃した。政権に影響する「敏感な」過去の事件として検閲されているため、中国国内では事件の事実を知ることができない。現在の中国の若者は、事件のことを全く知らないという。
1989年6月4日に天安門事件が起きてから、江沢民は常に恐怖と戦っている。人々がこの事件の真相を語り虐殺の責任を追及するのではないか、趙紫陽の名誉が回復されるのではないかと恐れているのだ。