分析 19大後の中南海権力図
中国 組織構造改革に着手 改革案から読む習政権の意図
香港メディアはこのほど、習政権が中国共産党指導層組織の構造と人事編制の抜本的な構造改革に着手したことを報じた。今回の構造改革では、「総書記」という党最高指導者の名称を「主席」に変更するとともに、新たに副主席のポストを設け、国務院総理と人民代表大会委員長を自動的に副主席に就任させるという新たな政治構造を構築しようとしている。
構造改革が実現すると、現行の政治局常委が実質的に格下げされる。一方、党が政府の上位に位置している現在の関係が対等なものに近づき、党の影響力が弱まるよう是正される。
香港の雑誌『争鳴』12月号によると、今年の11月中旬、中国共産党中央政治局と19大準備組は一部の党高官に対し、党中央上層部の組織構造改革に関する提案書及び意見募集稿を配布した。
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北京在住の中国軍の元高官、共産党の歴史を研究する学者としても有名な辛子陵氏(81)はこのほど、「5年に一度開催する党指導部の主要人事を決める党最重要会議、2017年末の第19回党大会(以下、19大)までに、習近平総書記が元総書記・江沢民氏やその側近で元国家副主席の曽慶紅氏を取り締まらなければ、両氏は習氏を倒すため同党大会で大事を起こす可能性が十分にある」との見方を示した。
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