イメージ写真。(NICOLAS ASFOURI/AFP/Getty Images)
程暁容氏コラム

中国共産党政権の下で「失踪させられる」中国人たち

「失踪」とは「ある人が姿をくらまし、行方が分からなくなること」を意味するが、中国にはそれよりもっと恐ろしい「被失踪(失踪させられる)」という言葉があるのをご存じだろうか。「強制失踪」とも呼ばれ、人権活動家や人権弁護士が権力機関からある日突然拘束され、そのまま連れ去られることを言う。残された家族らは必死になって行方を捜し、関係各所に問い合わせるが、見つかることはない。近年、中国ではこうした事件が多発しており、「被失踪」は「被旅游(旅行させられる)(訳注1)」や「被采訪(やらせインタビューを受けさせられる)」「被認罪(無実の罪を認めさせられる)」などと同様に、中国のネット上ではポピュラーな言葉となった。

3月16日、河南省鄭州市の中級法院(裁判所)が、「被失踪」した趙素利さんの家族から出された行政訴訟を棄却した。趙さんは中国人権監察(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)理事長の秦永敏氏の妻だが、本人が何らかの政治的活動に携わっていたわけではない。つまり、夫が人権活動家だという理由だけで、当局から拘束された。

2015年1月、秦永敏氏は「海外メディアからの取材の受け入れと執筆活動が多すぎる」との理由で当局から拘束され、その後「国家政権転覆扇動罪」の疑いで刑事拘留された。だが10日間の拘留期間が終わっても釈放されず、妻の趙素利さんまでも収監された。秦夫妻は15年1月から「失踪させられ」、2年経った今でも釈放されていない。

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