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甘い誘惑の害 砂糖を口にしたら脳で何が起きる?

歯に悪いし、健康にも良くない…と聞いて、砂糖断ちに挑戦中の記者。自称「スイーツ・ジャンキー」で、毎日おやつが欠かせなかったのですが、やめてみると胃腸がすっきりしてきました。学習ビデオを制作するTED-EDのアニメーション動画「砂糖はどのようにして脳に影響を与えるのか」(How sugar affects the brain)は、砂糖の弊害について分かりやすく説明しています。

砂糖を口に含むと、身体にどのような反応が起こるのでしょうか。甘い物を食べると、まず舌の表面にある「味蕾」(みらい)という器官が味を感知します。味はすぐに電気信号となって神経を通じて脳に伝えられます。脳にはそれぞれ「うま味」「甘味」「塩味」「苦味」「酸味」などを感知する部分がありますが、甘味を感じる部分は、脳の「報酬系」を刺激します。報酬系は快楽物質といわれる「ドーパミン」を放出するので、人体は喜びや興奮を感じ、またそれを欲しがるようになります。

脳内報酬系を刺激するのは、甘味だけではありません。社会的な行動や性行動、ドラッグアルコールニコチンも報酬系を刺激します。報酬系を刺激しすぎると、どうなるのでしょうか。砂糖の場合は、「砂糖に対する耐性が増す」「またすぐに欲しくなる」という悪循環に陥り、コントロールが効かなくなります。いわゆる砂糖中毒です。

砂糖の影響が及ぶのは、舌と脳だけではありません。甘い食物がノドを通って胃腸に流れ込むと、内臓に存在する「甘味受容体」で甘味を感知します。腸や胃で甘味を感知すると、それは脳に伝えられ、脳は「お腹がいっぱい」とか、「もっとインシュリンを出せ」というシグナルを出します。急激に上がった血糖値を下げるため、すい臓が大量のインシュリンを放出します。すると今度は血糖値が下がりすぎ、低血糖となってイライラ、疲労、眠気を引き起こします。

砂糖はドラッグよりもマイルドですが、依存性の高い物質。砂糖の摂りすぎによる血糖値の異常、胃腸障害、情緒不安定、疲労、冷えなど様々な弊害が指摘されています。動画を見て、改めて砂糖をやめようと思いました。

 

(文・郭丹丹)