中国、法輪功愛好者 無罪釈放事例が増加

中国当局から弾圧を受けている気功団体、法輪功愛好者はこのほど、当局に無罪釈放された事例が増えた。背景には、愛好者らが18年間にわたって迫害を国内外で訴えてきたほか、習近平政権が公安局、法院(裁判所)、検察院を管轄する政法当局幹部に対して、汚職腐敗、職権乱用などに厳しく取り締まることと大きく関係する。

法輪功愛好者迫害情報サイト「明慧網」の統計によると、2月の16人に続き、3月に少なくとも18人が各地の裁判所や検察院や公安局に解放された。2016年には7件の事例にとどまったが、今年に入ってから解放された愛好者の数が拡大した。

中国の憲法第36条では「信仰の自由」を明記している。迫害を主導した党内江沢民派閥が愛好者に対して、拷問や不法懲役のほかに、生体臓器摘出と残酷極まりない行為が報じられた。

国際社会からの非難と圧力に対して、習政権は2013年に違憲として労働教養制度を廃止し、14年に「依法治国(法により国を治める)」との政策方針を提唱した。さらに習政権は同年、政法当局全体を管轄する党中央政法委員会書記で江沢民の腹心である周永康を、汚職問題で失脚させた。習氏は、中央から各地方まで江派閥人員が牛耳る政法部門に対してメスを入れ始めた。

国営新華社通信の今年1月18日の報道では、習政権は『新情勢の下に政法隊伍の建設強化に関する意見』(以下、『意見』)を新たに発布した。『意見』では政法当局幹部に対して、司法の不公平問題を解決するよう求め、賄賂を受けて法を曲げるなどの行為を厳罰すると定めた。不正の取り締まりの強化を狙う。

一方、法輪功愛好者への迫害はいまだに続いている。「明慧網」によると、3月に全国で約110人の愛好者が不当判決を受けた。2月には255人が不法拘束され、7人が拷問を受けて死亡。1月には412人が不法拘束され、中では79人が不当判決を受け、4人が拷問で死亡した。

原因として、党内習近平陣営と江派閥との闘争がまだ続いており、各地の政法当局にいる江派閥人員がまだ完全に摘発されていないことがあげられる。

「明慧網」の統計では、16年までには法輪功愛好者の無罪解放の事例はほぼみられなかった。今年秋に開催される中国共産党第19回全国代表大会(19大)で、「核心地位」を完全に掌握することを狙う習近平政権の下で、江派閥勢力がより一層弱まるとみる。それに伴い、今後法輪功愛好者の解放がさらに増え、法輪功への名誉回復の可能性も高まるとみる。

(翻訳編集・張哲)

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