異例 中国政府系メディア「朝鮮戦争は金日成が起こした」事実認める

中国当局と北朝鮮金正恩政権はメディアを通じて互いに批判を続けている。中国共産党機関紙「人民日報」海外版の会員制交流サイト(SNS)公式アカウント「侠客島」は、異例にも北朝鮮の故金日成主席が朝鮮戦争を起こしたと認めた。

中国当局では、従来「米国などが先に38度線を越えた」と国民に説明してきた。

1950年に毛沢東らは、「美帝(米帝国主義)が38度線を越え、(中朝国境にある)鴨緑江まで戦火を広げた」と称し、また「美軍(米軍)が中国東北部に侵攻してくる」と国民を騙して、「抗美援朝、家と祖国を守ろう」と呼びかけた。同年10月、毛沢東は約135万人規模とみられる「中国人民志願軍」を派遣した。

「侠客島」が4日に掲載した『朝鮮中央社、あなたの中国批判は非常に理不尽だ』と題する評論記事では、「金日成が半島を統一したくなければ、朝鮮半島では戦争など起きなかったでしょう。中国は、この戦争に巻き込まれ数十万人の同胞の命を失うという代価を支払った。しかもこの戦争により中国と米国には20年以上にわたる長期的な対立がもたらされた。さらに(これが原因で)台湾問題が未だに解決していない」と非難した。当局が60年以上否認し避けてきた「故金日成主席が韓国に侵攻し朝鮮戦争を起こした」という歴史的事実を肯定した。

近年インターネット技術の発達によって、中国国内でも朝鮮戦争に関する情報などが流れており、一部の学者や有識者から事実公開との声があげられたが、当局は厳しい言論統制を行ってきた。

今回異例ともいえる当局の見解が、今後朝鮮戦争についての認識の修正に繋がるかどうかに注目が集まるだろう。

(翻訳編集・張哲)

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