軟禁中の著名人権派弁護士、、高智晟氏による拷問実態の暴露本『2017,中国起来(2017年 中国よ目を覚まして)』(大紀元)
袁斌コラム

自身の悪行におびえつづける中国共産党

中国の人権派弁護士、高智晟氏(57)が執筆した『2017,中国起来(2017年 中国よ目を覚まして)』。ここには高弁護士が、当時の胡錦涛国家主席と温家宝総理に公開書簡を出し法輪功の問題を解決するように呼び掛けたため、公安当局に要注意人物として24時間監視下に置かれ、そして強制失踪させられ、拘束された獄中ですさまじい拷問をうけたことなどが詳細に記されている。中国共産党政権の圧政に対する高弁護士の明晰な分析は、読み手に様々な示唆を与えてくれる。

中国の歴史を知る者にとって、中国共産党が悪の化身であることは周知の事実だ。中共当局が悪事を働く際、神をも恐れず思うがままに振る舞い、その行為は果てしなくエスカレートする。だが、彼らは同時に、自らの悪行が白日の下にさらされることを極度に恐れてもいる。

このことについて、高弁護士は著書の中で次のように記している。「彼らの中に、およそ常人であればにわかには信じがたいような、2つの矛盾する思考が存在していることに気がついた。一つは悪霊に取りつかれたかのように悪事に手を染めること。もう一つは、悪事を行ってから、それが露呈するのを、やはり悪霊に取りつかれたかのように恐れているという点だ。この数年間、私に暴行や拷問を加える相手に、悪に加担しないのが一番安全なのだと、私はいくども言い聞かせている。だが彼らはそれには耳を貸さず、手を汚してから『ばれやしないか』と震えているのだ」

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2015年7月9日から2カ月間で中国各地で人権弁護士や人権活動家など約320人がたて続けて勾留・逮捕され、国際社会も注目した「709事件」。この事件に絡んで、収容施設で不明薬物を強制に摂取させられるなど拷問や虐待を受けたという関係者の証言があいつぎ、14日、130人の弁護士からなる「中国人権弁護団」が全国人民代表大会への公開状を発表し、実態を公正に調査すること、結果を公表することを求めた。
中国で2年前に人権派弁護士らが一斉に逮捕された「709事件」。そのうちの1人の妻はこのほど、 AP通信の取材で2人の娘と連れてタイに脱出する経過、中国に強制送還される間際に米国大使館に救出される一部始終を語った。 
上海在住の人権派弁護士鄭恩寵氏は、709事件で弾圧された中国の人権派弁護士は、中国の未来のために自分と家族の多くの利益を投げ打って尽力していることを取り上げ、敬意を表し、彼らこそが中国の未来の大統領候補だとの思いをあらわにした。