10月19日、共産党大会の会期中、人民大会堂の内部(FRED DUFOUR/AFP/Getty Images)

党大会に初の台湾生まれの代表 統一を呼びかけ物議

中国共産党第19回代表大会に台湾生まれの盧麗安氏(49)が参加し、中台統一を呼びかけるなどの発言で物議を醸した。

18日に開幕した党大会で台湾の代表とされるのは10人。盧氏以外の9人はいずれも中国大陸で生まれた台湾人二世だ。台湾政治大学卒業の蘆氏は1997年に夫とともに中国大陸に渡り、上海市復旦大学で教鞭をとっている。2年前に中国共産党の党員となり、上海市台湾同胞聯誼会の会長を務めている。

共産党は1973年の第10回党大会から台湾籍の党員代表団を出席させているが、形式的な代表にすぎない。台湾生まれの代表は盧氏が初めて。

盧氏は大会初日、取材陣に台湾語であいさつし、「台湾で生まれ育ち、台湾の娘であるのを光栄に思い、中国人であることを誇りに思う」「歴史は選べないが未来は作れる」などと述べ、中台統一を呼びかけた。台湾を愛していないのではないかという記者の質問に「屁理屈だ」と一蹴した。

いっぽう、対中国大陸政策を担う、台湾行政院(内閣)大陸委員会の張小月主任は、盧氏はすでに台湾国籍を放棄しており、(党代表になったことは)法に抵触していないとの見解を発表した。さらに、「盧氏の選択を尊重する」とコメントした。

しかし、「(台湾国籍を放棄しているから)台湾人と何の関係もない。盧氏が代表しているのは共産党だ」と台湾政治大学・陳芳明教授は自身のFacebookで反論した。 

(翻訳編集・叶清)

関連記事
韓国で中国伝統思想の権威者であり、著名な哲学者の金容沃(キム・ヨンオク)氏が先月31日、韓国マスコミを通し、中国の第19回共産党大会について「習近平1人独裁は絶対に不可能」だと分析した。既存のメディアらの後継者問題と党内派閥の視点を批判し、演説から習近平思想とビジョンに何かについて読み解く。
中国共産党大会を終えて2期目の指導部を発足させた習近平国家主席と、北朝鮮の金正恩・労働党委員長との関係が明かに冷え込んでいる。
習近平国家主席は25日中国共産党第19期中央委員会第1回総会(1中総会)閉会後、2期目最高指導部メンバー7人全員が出そろった場で記者団に対し、古代詩人の名句「不要人誇好顏色,只留清氣滿乾坤」で発言を締めくくった。その真意が問われている。
中国証券監督管理委員会の劉士余・主席は19日、中国共産党第19回全国代表大会のチーム別会議・金融業代表団の会議で、元(最高)指導部メンバーで汚職などの罪で無期懲役刑を服役中の薄熙来・周永康ら6人が「党の最高権力を奪う陰謀を立てていた」と発言したという。香港メディアが報じたが、中国メディアは言及していない。