北朝鮮、頻繁な核実験で山が崩壊する可能性=米中科学者

北朝鮮が近年頻繁に核実験を行ったため、同国豊渓里核実験場がある万塔山(標高2205メートル)が崩壊し、大規模な陥没が起きる可能性が高まった。複数の海外メディアが報じた。

米紙・ワシントンポスト(20日付)によると、フランク・パビアン氏らの専門家は北朝鮮の万塔山が「山疲労症候群」に陥っているとの見解を示した。北朝鮮が2006年から今年9月3日まで実施した6回の核実験はすべて、この山の実験場で行われた。

衛星画像や地質マッピングの解析のエキスパートであるパビアン氏は、米ジョンズ・ホプキンス大学米韓研究所の北朝鮮分析サイト「38ノース」に分析記事を寄稿している。

9月3日の水爆実験後、万塔山地域でマグニチュード6.3の人工地震を観測した。専門家によると、水爆実験直後に撮影した衛星写真では、肉眼でも万塔山が元の位置からずれたことが確認できる。また、専門家らは水爆の威力が非常に大きかったと推測した。

専門家は、北朝鮮当局は今後も万塔山の核実験場で核実験を続けていくとみており、引き続き衛星写真を通じて、北朝鮮当局の豊渓里核実験場での動きを監視していくと示した。

一方、香港紙・サウスチャイナ・モーニング・ポスト(29日)の報道によると、中国科学院地質と地球物理研究所の研究者は9月20日、北京を訪問した北朝鮮の地質学者に対して、もう1回核実験が実施されれば、万塔山は崩壊し中国東北地域を含む万塔山周辺地区が放射能汚染にさらされる可能性が高いとの見解を伝えた。中国科学院は、中国国内の最高科学研究機関だ。

同報道によると、豊渓里核実験場は中朝国境までの距離はわずか80キロだ。

同紙は9月初めにも、中国核物理学者の王乃彦氏の話を引用し、万塔山の崩壊の可能性を報道した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
人気オンラインゲーム「アクシー・インフィニティ」ソフトウェアに対するハッカー攻撃で6.15億米ドル(約780億 […]
[東京 24日 ロイター] – 海上保安庁は、防衛省の情報として、24日午後に北朝鮮から発射された […]
[ジュネーブ 21日 ロイター] - 国連のトマス・オヘア・キンタナ北朝鮮人権状況特別報告者は21日、北朝鮮に対し、政治犯収容施設で劣悪な環境に置かれた多数の人々を解放するよう呼び掛けると同時に、国際社会に核問題とともにこの問題を取り上げるよう促した。 キンタナ氏は、2014年の国連調査で最大12万人が収容施設で拘束されていることが判明したとし、その後も施設に関する報告を受け続けていると述べた。
[東京 11日 ロイター] - 松野博一官房長官は11日の閣議後会見で、北朝鮮による一連の軍事的な行動について、日本や国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと述べた。 防衛省は11日、北朝鮮が2月27日と3月5日に発射したミサイルを米政府と連携して分析したところ、いずれも大陸間弾道ミサイル(ICBM)級だったことが分かったと発表した。当該ミサイルの最大射程での発射試験を行う前に
[ソウル 4日 ロイター] - 米国の北朝鮮研究サイト「38ノース」は4日、商業衛星写真を基に、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の活動が活発化しているとの見方を示した。 核分裂性物質の生産が行われているほか、施設拡大に向けた基礎工事が進められており、近く実験用軽水炉(ELWR)の稼働が始まる可能性があるという。ただ、プルトニウム抽出のために使用済み核燃料を再処理する放射化学実験室の能力拡大に向けた