勉強会でスピーチするスティーブン・バノン氏(大紀元/文亮)

東京で中国民主化運動会議、トランプ氏元側近も出席 大使館から圧力も

11月15日、元米国大統領首席戦略官スティーブン・バノン氏は都内で行われた民主化運動家主催のカンファレンスでスピーチを行った。中国民主化運動団体「公民力量」(拠点・米ワシントン)が主催したイベントに招かれたバノン氏は、「アジア民主国家同盟を結成し中国の影響と脅威に対処する」と題するスピーチを行い、米国エリートが中国共産党の発展を黙認したと批判。さらに、既得権益を手にした米国のエリートが様々な手法でトランプ氏を文字通り「破壊」しようとしていると警告した。

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バノン氏は、トランプ氏の当選は、今まで無視されてきたアメリカの労働者階級と中流階級が立ち上がって変革を求める「草の根運動」の結果だと指摘。「インターネット普及で相互交流は行われ、市民の声が消されるアメリカではなくなった」と述べた。

パネルディスカッションで座長を務めた遠藤誉氏(大紀元/文亮)

バノン氏のスピーチ後には日本の中国問題専門家である遠藤誉氏が座長を務めるパネルディスカッションを行い、東アジアの民主と平和について5人のパネリストが登壇した。中国民主化フォーラム理事長の費良勇氏はウイグルや南モンゴルにおける人権擁護活動を認めつつ、過度の独立運動はかえって中国共産党の求心力を高め、問題の早期解決にならないと指摘。

コメンテーターで法輪功学習者の張本真氏は、総統直接選挙を実現した台湾を例にとり、中国の民主化モデルとして参考にできると話した。さらに、中国共産党は、90年代末には7000万人に及んだ修養法・法輪功を徹底弾圧し、道徳水準を低下させてきたと中国の精神の問題を説いた。「将来の中国には道徳の回復が重要だ」と論じた。

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午後には、中国が海外の大学など教育機関に併設する文化交流プログラム「孔子学院」の問題性を取り上げたドキュメンタリー映画「In the name of Confucius(仮邦題:偽の儒教)」を上映。訪日したDoris Liu監督が参加者と意見交換を行った。

映画は、カナダに赴任した孔子学院元教師の女性の体験を主軸に、カナダ最大の孔子学院が地元住民の反対と教育委員会の決定により廃止される一部始終を描いた。

出演する民主活動家は、中国農村部では毎日60ヶ所もの学校が閉鎖し子供の学習環境が奪われているにもかかわらず、海外では毎年孔子学院が次々新設されていると指摘した。孔子学院主催イベントで白人青年の学生が共産党讃美歌を歌うシーンでは、会場から失笑がもれた。

遠藤誉氏は、中国語学習機関としている孔子学院の実態は、中国当局が年間数十億ドルを投じて共産主義を宣伝し、国内の言論規制も輸出するソフトパワーの一環と指摘する。

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主催者への取材によると、中国大使館は開催中止を要請していた。中国大使館は特に、法輪功学習者がパネルディスカッションに参加すること、そして共産主義を海外に輸出する出先機関「孔子学院」の真実を暴く映画上映に反発していたという。

主催者の楊建利氏は取材に対し「中国共産党の妨害の『おかげで』勉強会は成功裏に開催することができた」と皮肉を込めて言った。中国大使館の行為は日本の主権侵害であり、自由と民主という社会の基盤を脅かそうとするものだ、と批判した。

(文亮)

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