ジンバブエクーデターに中国の影 軍司令官が5日前に訪中
アフリカ南部ジンバブエでは15日未明、軍当局が首都ハラレの政府施設、議会への道を封鎖したほか、国営放送局を占拠し、クーデターを起こしたとみられる。ロイター通信などによると、ムガベ大統領と親族らは自宅軟禁下に置かれた。同国チウェンガ国軍司令官(61)は10日に中国訪問したばかり。専門家は、ムガベ大統領に不満を持つ中国当局が、ジンバブエ軍当局に対してクーデターを容認した可能性が高いとの見解を示した。
ジンバブエ国軍の報道官は15日、国営放送局を通じて、「堕落した政治、社会、経済を正す」との声明を発表した。ジンバブエに社会的、経済的苦難をもたらしたムガベ大統領周辺の「犯罪者」を一掃するために行動を起こしたと説明。また、「任務の終了後、事態を正常に戻す」と述べた。
ムガベ大統領は今月6日、後継者として指名した第一副大統領のムナンガクワ氏(75)を突如解任した。ムナンガクワ氏とグレース夫人との間では、次期大統領の地位をめぐって権力闘争が繰り広げられていた。ムガベ大統領がムナンガクワ氏を解任したのは、グレース夫人の大統領就任に向け対立勢力を取り除くためだったとみられる。
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