屠殺場で足を止め涙を流した老僧 そのわけは?
ある老僧が屠殺場を通りかかった際、涙が流れるのを禁じえず、深い哀しみを覚えた。人々はとても不思議に思い、なぜ哀しんでいるのか、老僧に尋ねた。
すると、老僧は次のような話を始めた。
「話せば長くなるのですが、私は、自分の二つ前の前世まで記憶しています。私が初めて人に転生した際は屠殺人で、三十過ぎで死にました。死後、その魂は、数人に縛り上げられ、閻魔大王の前に連れて行かれました。閻魔大王は、私の殺生が過ぎたのを責めたて、悪の報いをもって判じました。そのときの私は、恍惚朦朧としており、醒めているような夢の中にいるような、頭部が熱くてたまらなかったのですが、突然一陣の涼しさを覚え、気がついてみると、豚小屋の中の子豚に生まれ変わっていました。
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