中国共産党の浸透工作
スポーツ、獅子舞い、オペラコンクール…孔子学院は「地域社会に根を下ろす」
孔子学院は、表向き「非営利の教育機関」としているが、元責任者は、数千万人にも及ぶ在外華人や留学生の思想指導や情報収集にあたる対外宣伝工作組織「中国共産党中央統一戦線工作部(以下、統戦部)」トップでもあった劉延東・現副首相だ。共産党色が強い組織であることは否めない。
カナダ政府の安全保障情報機関に21年以上所属していたミシェル・ジュノ=カツヤ(Michel Juneau-Katsuya)氏は、孔子学院の管理側には統戦部関係者が多いと指摘する。カナダでの講演会で「諜報活動を行う『トロイの木馬』であると結論づける研究が、多くの国で指摘されている」と述べている。
合わせて読みたい:加ベテラン情報調査官「孔子学院はスパイ機関」日本でも展開
関連記事
米議会では、対外投資審査を厳しくするよう求める声が上がっている。外国投資と国内安全保障を審査する対米外国投資委員会 (CFIUS)は9日に専門家を招き聴聞会を開いた。委員会は、海外資本による米企業の買収阻止や合弁企業の監視など権限強化を目指している。
米ニューヨーク州の検察当局がツイッターで偽アカウントを販売する企業デバミー(Devumi)社を調べており、中国国営の新華社通信が重要顧客の一つであると1月28日、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が報じた。
中国共産党政権はグローバル規模でソフトパワーを浸透させ、諜報活動を展開している。