政情不安定のため、2月5日に非常事態宣言が出されたモルディブ。写真は21日、野党支援者が警察に連行される様子。(AHMED SHURAU/AFP/Getty Images)
一帯一路

中国色が濃くなる「インドの裏庭」手をこまねくニューデリー

モルディブのヤミーン大統領は、中国共産党政権主導の現代版シルクロード構想「一帯一路」に積極的なかかわりを見せる。2014年9月、習近平氏が同国を訪問した際は手厚くもてなした。2017年12月に中国とモルディブは自由貿易協定(FTA)を締結した。

国際通貨基金(IMF)の最新報告によると、モルディブの対外債務は2016年に34.7%だが、2021年にはGDPの51.2%まで跳ね上がるという。IMFは、モルディブ政府の総収入はわずか約10億ドルであるのに対し、対外債務返済費は少なくとも向こう4年は年間9200万ドルになると試算した。

亡命中のナシード元大統領によると、少なくともモルディブ港建造含め3件の中国融資プロジェクトが、モルディブの対外債務の80%を占めると述べた。

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英国のメイ首相はこのほどの訪中で、中国とは「黄金時代」と良好関係をアピールする一方、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」を全面的に支持する覚書の署名に応じなかった。訪問中、90億ポンド(約1兆4000億円)超相当の契約に締結したものの、中国の拡張路線への不信感を改めて示したものとなった。英BBC中国語版が1日報じた。
1月26日に中国国務院が発表した同国初となる北極圏政策「中国北極政策」で、北極海の海運権の掌握を狙う野心的な計画が明らかになった。政策の発表は、ユーラシア大陸を陸路と海路でぐるりと繋ぐ中国主導の経済圏構想「一帯一路」に、北極圏にも広がる第三のルートである北極海航路「氷上のシルクロード」の本格的な開発が始まることを意味する。
「中国モルディブ友好の橋」が間もなく完成する。インド洋に浮かぶ群島国モルディブ首都マリと、国際空港のある島を結ぶ7キロメートルの橋のことだ。名前は2014年9月、習近平国家主席が同国を訪れたとき、親中派アブドラ・ヤミーン大統領の提案で決まったという。