三寸の舌に五尺の身を亡ぼす

の時代、「士大夫(したいふ)」という階級がありました。教養を備え、詩文にも通じ、科挙を通過した官僚を多く輩出した士大夫層は、その後、王朝が「元」「明」「清」と移り変わっても、ずっと中国の支配階級の中枢を占めてきました。宋代の「士大夫」を育てる親の教育は非常に厳しいものだったようです。

宋朝の士大夫、呉賀(ごが)の母親・謝氏もそんな母親でした。呉賀がお客さんと話していても、謝氏はいつも屏風の後ろから、呉賀が間違った内容を話していないかと聞いていました。 

あるとき、謝氏は呉賀が来客とある人の短所について話しているのを耳にしました。彼女は非常に怒って、その客人が帰ってから呉賀を杖で100回叩きました。 

それを見ていた身内の者が「人の長所や短所について話すことは珍しくないですよ。こんなに大騒ぎするようなことではないのではありませんか」 と謝氏をなだめました。

謝氏は溜息をついてこう言いました。「娘を大切にする人は、必ず言葉を慎重に選ぶ士大夫に娘を嫁がせるという話を聞いたことがあります。私には息子しかいませんが、彼に不用意な発言が命に関わってくるという道理を分かってほしいのです」

中国伝統文化の中では、口を慎むことが大事にされていました。何気無く口にした言葉で相手を傷つけてしまうかもしれないからです。陰で人の悪口や短所について話したりするのは教養のある人がすべきことではありません。他人の過ちに気づいた人は相手に素直に指摘し、その過ちを補います。そして自らもこのような不足がないかと省みる、と古人は自らを律していました。 

呉賀はそれから自分に厳しく要求し、を重んじ、最後には立派な士大夫となりました。

(大道修)

関連記事
はじめに: もし私が依然、普通の人と同じ考え方であったなら、八歳のときに家族と生き別れ、死に別れて以来、数十年にわたって心の中に鬱積しつづけた傷を解きほぐすことはできなかったでしょう。
これは十数年ほど前、ドイツでおきた真実の物語である。9歳の孤児デビくんが、ある特別な方法を取り、会ったことのない母親を助けようとした。後にこのことが人々に大きな感動を与えたのである。
「天人合一」(てんじんごういつ)とは、伝統科学、伝統文化の基礎的な考え方の一つである。この考え方によると、宇宙と人間は一体関係にあり、宇宙のすべての要素が人間に影響を与えていて、人間の変化はすべて宇宙の各要素の作用を反映しているという。
日本各地で見られる中国人観光客。円安効果も相まって、「爆買い」の勢いが止まりません。その一方で、観光客たちのマナーの悪さに対する不満の声があがっています。
1989年6月4日に天安門事件が起きてから、江沢民は常に恐怖と戦っている。人々がこの事件の真相を語り虐殺の責任を追及するのではないか、趙紫陽の名誉が回復されるのではないかと恐れているのだ。
先週末、中国メディアは国家主席の任期撤廃を報じ、激震が走った。今度の憲法改正で焦点となったのは「中華人民共和国憲法」79条第3款の「国家主席と副主席の任期が2期を超えてはいけない」という内容であり、3月に開かれる全人代(国会相当)を通過すれば改正される。
宋の時代、「士大夫」という階級がありました。教養を備え、詩文にも通じ、科挙を通過した官僚を多く輩出した士大夫層は、その後も王朝が「元」「明」「清」と移り変わっても、ずっと中国の支配階級の中枢を占めてきました。宋代の「士大夫」を育てる親の教育は非常に厳しいものだったようです。
ピチピチのお肌と、つややかな髪は美の象徴。でも、年月を経て「若さ」という名の魔法が解け始めたら、中身で勝負しなければなりません。年を重ねても凛として美しく、人々から愛され続けたオードリー・ヘプバーンの言葉をご紹介します。