中国当局は米政府がこのほど、インターネット上の動画サイトでプロパガンダ映画『すごいぞ、我が国』の放送を禁止した。中国通信大手ZTEに対する米国の製品輸出禁止措置が関係しているとみられる(LLUIS GENE/AFP/Getty Images)

米ZTE取引禁止令の余波 中国プロパガンダ映画を放送禁止へ

中国プロパガンダ宣伝当局は19日、国内商業動画サイトに対して、プロパガンダ映画『厲害了、我的国(すごいぞ、わが国)』の放送を禁止すると通達した。理由については言及していない。

90分間の映画は国営中央テレビなどが製作。世界最長の鉄道網や世界最大の電波望遠鏡「天眼」を紹介するなど、2012年の党大会後に科学技術など各分野で収めた「輝かしい成果」を絶賛している。放送禁止になった背景には、米商務省が中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)と米国企業の取引を今後7年間禁止する決定を下したことがあるとみられる。

今年3月2日、国内で上映されて以降、すでに4億7000万元(約80億円)の興行収入を得た。中国メディアは、2億元(約34億円)以上の収益を叩き出した初の国産ドキュメンタリー映画だとした。しかし、インターネットの投稿によると、観客はほとんど、国営企業や学校などから動員されている。

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米政府は16日、中国国有通信機器大手の中興通訊(ZTE)がイランに対して通信関連設備を違法に輸出しているとして、米企業に対して中興通信との取引を7年間禁止すると指令した。