中国でも大人気の日本アニメ「ドラえもん」(Mandy Cheng/AFP/Getty Images)

日本のソフトパワーの勝利 中国で「精神的日本人」の誕生

「中国人のクズだ!」全人代の記者会見で王毅外相が言い放ったこの一言で「精神的日本人」(精日)についての関心が日本でも高まった。精神的日本人とは「中国人だけど、精神的に日本人だと思う人」のこと。反日教育が盛んに行われた中国で、なぜ日本人になりたい中国人が急増したのだろうか。

オンライン百科事典・百度百科は、「顔文字を上手に使いこなす」「畳で寝る」「車が通っていなくても、赤信号を渡らない」と精日の生態を説明した。他にも日本人名を名乗ったり、割り込みをしない、運転時に相手に進路を譲るなど、彼らは日頃、日本人として振舞っている。アニメやゲームを楽しむうちに日本語を流暢に操るようになった人が多い。

精日の主力は90年代、00年代生まれの若者たち。ここまで日本に傾倒した一因について、日本のアニメ、ゲームの影響のほか、ある「精日」の男性は「中国には日本を紹介するまともな映画も本もなかったからだ」と大紀元に語った。

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中国共産党が企画する抗日(反日)ドラマ。脚本の陳腐さや歴史のねつ造があからさまになるため、中国国民まで反感を持つようになっている。辻褄の合わない描写は、ネットでたちまち炎上のネタとなる。
中国外交部の王毅・部長(64)は8日、全国人民代表大会(全人代)関連記者会見で、日本に好感を持つ国民、いわゆる「精日分子」について、「中国人の堕落者だ」と発言した。これを受けて、中国国内世論が非難を強めた。一方、一部の中国人ネットユーザーは海外ソーシャルメディアを通じて、外相の発言が民族主義を利用したプロパガンダ宣伝だと批判した。
中国のインターネットで、ハンドルネーム「潔潔良」というユーザーに対する批判は過激している「潔潔良」はこのほど、上海市で行われた映画イベントで、参加者が大量のごみをポイ捨てしたことについて、SNS微博で「悪臭你支」(悪臭するシナ人)と参加者らのマナーの悪さを批判した。「支」は日本で使われる中国の蔑称、「支那」の隠語とされている。このため、ネット上で「潔潔良」が親日だとバッシングした。
中国共産党は、思想統制の一環として、党を賛美し史実に反する反日ドラマや映画を製作してきた。近年、アクションやラブストーリーなどのエンターテインメント的な要素を取入れて製作された反日ドラマはますます現実離れが進んだ。中国人ネットユーザーは、こういったドラマを「抗日神劇」と呼んでいる。