トランプ米大統領はこのほど、中国通信大手の中興通訊(ZTE)への制裁措置を緩和すると示唆した。(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)

劉鶴副総理が訪米 専門家「米のアメとムチで中国が譲歩」

米中貿易摩擦が勃発するなか、中国の劉鶴副首相は15から19日にかけて訪米し、通商交渉を再開する。これに先立って、トランプ米大統領は13日、米政府による制裁で経営が危ぶまれている中国通信大手、中興通訊(ZTE)の事業再開に協力すると表明した。大統領はツイッターで、中国で多くの雇用が失われる可能性があると理由を説明した。専門家はトランプ氏が「アメとムチ」で中国に譲歩を迫っているとみている。

大統領は制裁緩和について、詳細を明示しなかった。ホワイトハウスは、ZTEへの取引禁止令に代わる別の制裁措置について、最終的に商務省が決定すると明らかにした。

米商務省は4月、ZTEがイランや北朝鮮に対して違法に通信機器を輸出しているとして、米企業に対してZTEへの部品取引を7年間禁止するとの措置を発表した。

ZTEは160ヶ国で8万人の従業員を抱えているという。同社主力製品のスマートフォンの基幹部品は推定7-8割が米国企業から調達していた。中国メディアは、同制裁でZTEは3カ月以内に経営難に陥る可能性を示していた。

5月初め、状況を重く見た中国当局は、米中通商問題で訪中した米政府の代表団に対して、ZTEへの制裁解除を要請した。

中国側が大きく譲歩したとの見方も

大紀元時事評論員の夏小強氏は、トランプ大統領の発言について、15~19日までの劉鶴副首相率いる中国代表団の訪米と関係するとの見方を示した。両国は今月初に続き、再びハイレベルの通商交渉を行う予定だ。同氏は、中国当局は米に譲歩する可能性があると推測する。

米紙・ウォールストリート・ジャーナルはこのほど、劉鶴氏は訪米で「米国製品を爆買いする予定だ」と伝えた。また、米半導体クアルコムの買収案承認と米国産豚肉への関税撤廃の見返りとして、トランプ氏はZTEの救済に動いたと報じた。

香港の親中メディア「星島日報」(15日付)によると、中国人民大学の時殷宏教授は、劉副首相の訪米で、中国最高指導部は「米に対して過去最大の譲歩をする」との見解を示した。

習氏への恩返しか

最近、北朝鮮問題をめぐる米中の連携は、トランプ氏がZTEの救済協力を示した理由の一つだとみられる。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で度々、習近平氏を称賛してきた。大統領は、習氏を中国共産党政権と区別して接していると推測される。習氏への賛辞は、両氏は北朝鮮問題をはじめ、多くの国際問題で意見が一致し、個人レベルで打ち解けていることを反映している。

特に、北朝鮮の金正恩氏が7~8日再訪中し、中国大連で習近平国家主席と会談した直後に拘束されていた米国人3人が解放された。これに対して、トランプ大統領は、「習近平国家主席が手助けをしてくれた」と謝意を述べ、習当局による働きがあったことを明かした。

大紀元時事評論員の李沐陽氏は、トランプ大統領が、習氏への「恩返し」として、ZTEの事業再開に救いの手を差し伸べたとの見方をした。

また、ZTEへの制裁を通じて米政府が、短期間に中国当局が主導するハイテク産業に打撃を与えたことも一因だ。米は、中国軍が後ろ盾のZTEなどの中国通信企業が、米企業の先端技術を盗用した実態を暴き出した。

夏小強氏は、ZTEをめぐる動きは、米政府は中国にアメとムチを使い分けて通商問題で完全勝利を目指していると分析した。

(翻訳編集・張哲)

 

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