オーストラリアの首都キャンベラにある中国大使館(AFP/GettyImages)
浸透工作

豪州TVへ中国大使館から怒りの電話 放送中止要求、TV側「応じない」

オーストラリアの民間テレビ局は、中国の外交政策の問題点を取り上げた時事評論番組の予告放送をしたところ、在キャンベラ中国大使館から放送しないよう強く求める電話があったことを明かした。電話を受けたプロデューサーによると、この外交官の態度は高圧的で怒鳴っていたという。テレビ局は、予定通り番組を放送する姿勢だ。このテレビ局と同じメディアネットワークの9ニュースが報じた。

「すぐに番組を取り下げなさい、この件を上司に持っていけ!」「よく聞いておきなさい、こんなぶしつけな行為は二度とないようにするから」。電話口で、予告放送を見た中国大使館の女性外交官は、豪州のテレビ番組プロデューサーを怒鳴ったという。

豪メディア大手ネットワーク・9ニュースによる、6月24日放送予定の人気ニュース解説番組「60分」は、太平洋の島国が中国融資で負債過多に陥っていることや、同地域で中国軍による軍事プレゼンスが強まっていることについて取り上げている。

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