中国浙江省、強制立ち退きで住民が警察らと衝突、政府庁舎を一部破壊

中国沿岸部浙江省嘉興市南湖区七星鎮で6月30日、強制立ち退きの補償に不満を持つ数百人の住民らは抗議デモを行い、鎮圧に当たった警備隊と衝突した。住民らは地元政府庁舎に入り、一部の設備を破壊した。

嘉興市南湖区は、1921年中国共産党が第1次全国代表大会の開催地で、党の「生誕の地」として知られている。7月1日は党の創立記念日でもあるため、当局は神経をとがらせている。

中国国内インターネット上に投稿された抗議デモの様子を写った動画によると、数百人以上の抗議者は、ライオットシールドなどを持つ警察らと対峙した後、衝突が起きた。警察がレンガを投げ付け、住民から負傷者が出ている。抗議者のうち、女性や年配者も多くいた。

武装警察との衝突で、年配の住民が負傷した(抗議参加者が提供)

男性住民は大紀元に対して、強制立ち退きの補償をめぐって、住民らは6月25日から鎮政府に対して陳情活動を始めたと話した。鎮政府が対応しなかったことに、住民らが怒りを爆発させたという。

「30日午前8時ごろ、住民2、3千人が鎮政府建物前に集まって抗議を始めた。政府が最初100人以上の武装警察や機動隊を派遣し鎮圧した。警察側が先に唐辛子スプレーを噴射して暴力を振るった」

住民によると、双方の衝突は当日18時から20時までの間で起きた。当局はその後、警察を数千人規模に増員して、抗議現場の周辺を数十台の警察車両で封鎖した。当局は装甲車まで出動させたという。

また、鎮政府庁舎に突入した住民は、鎮トップである党委員会書記のオフィスの豪華さに驚いたという。「ひどい腐敗ぶりだ」と非難した。

住民らの試算では、衝突で10人余りの住民が負傷した。そのうち、重傷者が3人。警察側にも負傷者がいた。10人以上の住民は警察に連行された。

七星鎮の住民数千人は7月1日、地元の郷政府の前で引き続き抗議活動を行った。

7月1日、七星鎮の住民は引き続き郷政府の前で抗議デモを行っていた(抗議参加者が提供)

一方、地元当局は3日から、政府庁舎の一部を破壊した住民の身元を特定している。住民の話では、すでに20人以上が身柄拘束された。

当局は、今回の抗議事件に関するネット上の書き込みと動画をすべて削除した。ソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」で、抗議デモや当局の鎮圧について情報を発信した地元の住民は、当局にどう喝されたという。

(記者・顧暁華、翻訳編集・張哲)

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