豪上院は12日、議員インターンシップにおいて外国人留学生を募集対象にしないこと決定した、と発表した。写真はマルコム・ターンブル豪首相(Dan Himbrechts-Pool/Getty Images)

豪議会、留学生のインターン禁止 中国のスパイ活動を懸念

オーストラリア上院は12日、議員インターンシッププログラムが今後、外国人留学生を募集対象から外すと発表した。この決定は、豪政府が中国スパイ活動を防ぐ一環だとみられる。

同国議会ではこれまで、議員は外国人留学生をインターン生として採用することができた。インターンシップ期間は3カ月と定められていた。期間中、留学生らは議会の機密文書の閲覧も可能。議会は機密情報漏えいの対策として、インターン生に機密文書についてメモを取らないよう要求することにとどまっていた。

上院のスコット・ライアン報道官は12日、「今後議会がインターン生を募集する際、豪国籍の国民のみに限定する」と述べた。

12日付の独ドイチェベレによると、ライアン報道官は、同決定が中国当局による内政干渉に関連するか否かについて明言を避けた。

昨年12月、ターンブル豪首相は、中国共産党政権に近い中国人富豪らが政治献金を通じて、同国の政策策定に強い影響力を行使したと批判した。また、中国の影響力の排除に向けて、「オーストラリア人民は立ち上がった」と中国語で発言した。

英紙フィナンシャルタイムズは昨年9月、ニュージーランド国籍中国系議員の楊健氏が1994年オーストラリア留学中に、同国上院の外務委員会でインターンシップを経験した、と報道した。楊氏は留学の前、中国軍のスパイ養成学校で英語教師として勤めていた。

オーストラリアでは昨年以降、中国当局の内政干渉やスパイ活動に対する警戒が強まった。

豪連邦議会は6月末、外国政府からの内政干渉やスパイ活動を阻止するための法案を可決した。法案では、外国政府や企業の代理人が議会でロビー活動を行う際、事前登録を義務付けた。また、代理人らが活動内容を隠ぺいし、秘密工作やスパイ行為の事実があった場合、10年以上の懲役刑を下すと示された。

(翻訳編集・張哲)

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