中国共産党に批判的な北京大学のクリストファー・バルディング副教授は中国を離れることになった。写真はイメージ(NICOLAS ASFOURI/AFP/Getty Images)

北京大勤務のアメリカ人副教授、契約更新されず 当局批判が原因か

北京大学HSBCビジネススクール(PHBS、深セン市)のクリストファー・バルディング(Christopher Balding)副教授はこのほど、雇用契約を打ち切られたと明かした。同副教授はこれまで、中国当局の言論統制を繰り返して批判したことが原因だとみられる。

バルディング副教授は17日ブログで、PHBS側の雇止めのため、「中国を離れることになった」と投稿した。昨年11月に、大学側から契約を更新しないと通告されたという。

バルディング氏は、9年前からPHBSで教檀に立っていた。また、米メディア・ブルームバーグのコラムニストを務め、自身のTwitterアカウントに約1万7000人以上のフォロアーがいる。同氏は学術の自由を提唱し、中国共産党政権の政策を批判していた。その言論は外国メディアにも引用されていた。

昨年8月、英ケンブリッジ大出版局はウェブサイトに掲載された中国関連の論文300点について、中国国内からのアクセスを遮断した。論文は天安門事件やチベット問題に関するもの。中国当局の「明らかな要求」を受けての措置だと大学側は説明した。

バルディング副教授は当時、ケンブリッジ大に遮断の撤回を求めネット上で署名活動を起し、世界中の研究者1000人の署名を集めた。ケンブリッジ大学は数日後、遮断の撤回を発表した。

同副教授は当時、ロイター通信の取材に対して、「中国国内にいる外国人教授として、4つのTを議論してはいけない」と話した。4つのTとは、台湾問題(Taiwan)、チベット問題(Tibet)、天安門事件(Tiananmen)と中国共産党(The Party)を意味し、中国共産党政権にタブー視されている。

バルディング氏はブログで、共産党の支配下の中国では、「教授として経済、ビジネスと金融市場を議論することさえ、身の危険を感じる」「安全に中国を離れることに安堵(あんど)した」と書き込んだ。

同氏は「中国共産党政権は、自由民主の国際秩序にとって根本的な脅威である。しかし、多くの人がこれを見て見ぬふりしていることに驚いた」とした。

(翻訳編集・張哲)

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