拘束人権弁護士の妻、訪中した英外相と面会

中国を初公式訪問している英ジェレミー・ハント外相と在中英国大使は7月30日、中国当局が2015年に一斉拘束した弁護士たちの妻と面会した。妻たちは外相らに「3年間の失踪と今の状況を詳しく説明した」とSNSで報告している。

中国公安部は3年前、共産党による法輪功迫害を含む、当局が敏感問題として取り締まる事案を担当していた弁護士300人以上を一斉拘束した。今もなお拘束されている王全璋・弁護士の妻、李文足さんは、7月31日にTwitterで、ハント外相とバーバラ・ウッドワード在中英国大使と面会したと述べた。

「王全璋の失踪など、この3年間の状況を詳しく説明しました。外相は真摯に聞き入ってくださった」「英国政府に弁護士大量拘束事件など中国人権問題に高い関心を向けて頂いたことに感謝を伝え、継続して注視してもらうよう申し出ました」と、李文足さんは外相と大使、ほかの拘束された弁護士の家族たちとの写真を付けて語った。

李文足さんら弁護士の妻は、夫の解放に向けて、北京から天津までウォーキングして問題への注意喚起をうながしたり、26回以上も裁判所に無罪釈放を呼び掛ける意見書を提出したりしている。

一斉拘束から3年経った7月9日、米国や香港、台湾で講演会や抗議集会が行われた。米ニューヨーク市にあるフォーダム大学ロースクールでは14の人権団体が、共同開催した講演会で、王弁護士に「中国人権弁護士アワード」を授与した。

拘束事件の後、安否も行方もわからなくなっていた王弁護士だが、7月19日、法定代理人を担当している山東省の劉衛国弁護士がインターネットで、王弁護士と天津市第一留置所で面会したことを明かし、事件後はじめて生存しているとの情報が伝えられた。王弁護士は拷問や精神的な抑圧を受けていると報じられていたが、劉弁護士によると「体調や精神状態は良好だ」という。

(編集・佐渡道世)

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