新春の観劇に選ばれる舞台、神韻 真善美のショー

毎年世界ツアーを展開する米ニューヨーク拠点の神韻芸術団(以下、神韻)は洗練された音楽と舞踊のステージングから古典芸術の真善美を披露する。今年は世界150の都市、総計640回の公演予定で、現在はアメリカ、カナダの都市で絶賛開催中だ。新春の観劇として神韻を楽しむ人々の声を聞いた。

「軽やかに漂う、光り輝きのようでした」インテリアデザイン企業を運営するイバーナ・フルミニスさんは、同じ芸術に関心の高い甥と共に1月3日、カナダのモントリオールの芸術劇場で神韻を鑑賞した。

「ダンサーたちは、自我に焦点を当てていないのです。ただ正しいエネルギーに満ちていました」とサール・ウィルフリッド劇場での鑑賞後、語った。芸術舞台を好むフルミニスさんは、今回初めて中華芸術を堪能した。

神韻は、中国本土ではほとんど失われた、歴代王朝を経て何千年も継承される神伝文化(神仏が人類に与えた文化)の復興を掲げる。男女数十人のダンサーは中国古典、神話、伝記などから短編劇を演じる。これまで、孫悟空の旅で知られる西遊記や女武将ムーラン、月の女神・嫦娥(じょうが)などがテーマに選ばれた。演目は毎年一新するため、今年の演目がこれらとは限らない。

音楽は二胡、琵琶、銅鑼、チャルメラなど東洋楽器を組み合わせた神韻専属オーケストラがダンサーの動きに合わせて伴奏し、ステージングを盛り上げる。

フルミニスさんは芸術を通じて、東洋と西洋の文化の共通性を見出した。「神への信仰や誓いは共通しています。つまり、人は善良になるべきということです」

米上院議員候補はリピーター

2018年選挙でカリフォルニア州からの上院議員候補だった企業家のポール・テイラー氏は、昨年の神韻ロングビーチ公演に引き続き、今年も年始の観劇に神韻を選んだ。

テイラー氏は、目的意識のある芸術家の振る舞いは美しいと認識する。「ダンサーたち全員が天にいる高い次元の神と創造主について信仰しています。その精神は行動に変化をもたらすもので、まさに心技体です」

神仏への信仰は伝統的価値の本質にある。複数の短編劇は慈悲や天への敬意についてテーマにしている。「精神の高さを抱かないものは、お金や名声など一時的なものに執着し、空虚な人生を送ることになります。愛情や平和、幸福など素晴らしいものが中心にあるのが人なのです」

いっぽう、現在の共産主義体制下の中国では道徳が崩壊し、伝統的な神仏信仰は当局により弾圧されている。例えば、真実と善良、寛容のために自己修煉に励む法輪功は1999年に弾圧された。演目「悪に面する善」は、法輪功を修する女性は投獄され、強制的な臓器摘出の犠牲になる。しかし、怨念や怒りはなく、善良さを貫くことで悪を解くというストーリーだ。

「私は中国臓器狩りについて反対声明を出しており、中国首脳も声明を聞いているはずです。この問題は知られるべきです。決して無実の人が拘束され、あの女性のように人体が金銭に代えられるようなことがあってはなりません」

「中国で起きているこの問題を、世界の人々は知らないといけません。神韻が周知することに私は支持します。これは重要な舞台であり、十分に堪能できるものです」

弁護士「圧倒的に美しいショー」

「美しい踊りに驚嘆しました。ワンダフルです」刑事弁護人であるシャナン・ドーガン氏は神韻を1月6日、サンフランシスコの戦争記念オペラハウスで鑑賞した。

「むしろ踊っているようには見えませんでした。漂っているか、浮いているかのように軽やかです」神韻の古典舞踊は、何千年もの歴史に継承された表現を今日、舞台に表す。

神韻公式サイトによると、複雑な舞踊の技巧は指先から視線に至るまで体のすべての部位を使う。こうした繊細な動きにより、広大な大地を背景にした力強い民族舞踊や、天覧劇で披露された優雅な舞いといった幅広いシーンを表現する。

「中国について舞台を通じて学べることを嬉しく思います。特に、『悪に面する善』での娘と母親のダンスはとても感動しました。中国で起きている迫害についても学ぶことができました」

神韻の舞台を鑑賞することについて、ドーガン氏は「ただのダンスパフォーマンスではありません。人々の非常に奥深いところに働きかけるものです」と述べた。

失われた神伝の中華文化の復興をモットーとする神韻芸術団。待望の2019年日本公演は1月16日から2月5日まで。京都、大阪、八王子、東京、埼玉、福岡で開催される。詳しくは公式ページへ。ja.shenyun.com

(編集・甲斐天海)