赤い桑の実と黒い桑の実 親孝行

蔡順(さいじゅん)は、漢代の汝南(現在の河南)の人で、幼いときに父をなくし、に親孝行を尽くした。

時はちょうど王莽(おうもう)の乱のころで、天下は乱れ、また飢饉(ききん)が発生したため、米は高騰した。そこで、蔡順と母はやむなく桑の実を拾って飢えをしのいだ。

ある日、桑の実を拾っていたところ、赤眉軍の兵士に出くわし、「なぜ赤い実と黒い実を別々のかごに分けているのだ?」と聞かれた。蔡順は、「黒い実は熟れていて甘いので母に食べさせ、赤い実は硬いので自分が食べるのです」と答えた。その孝行ぶりに感動した赤眉軍の兵士は、帰って母に食べさせるようにと、彼に三斗の米と一頭の牛をやって、敬意を表した。

「孝」は儒家の倫理思想の核心であり、長い間中国社会で家庭関係を維持するための道徳基準であった。それは、中華民族の伝統的な美徳であり、中国伝統文化の精髄でもある。

元の郭居敬は、中国古代の孝行が特に優れた24人の故事を集め、「二十四孝」を編集した。後に絵が配され、「二十四孝図」として孝行の道を広めるための通俗読み物となった。

(編集・望月 凛)

関連記事
1271年、モンゴルのフビライ・ハンが元を建て、初めての漢民族以外の皇帝となりました。その後、数十年にわたり、中国はかつてない規模の帝国となり、元は文化の多様性と国際貿易の栄えた時代となりました。
明の最初の皇帝・太祖の生い立ちは、朝廷生活とはほど遠く、彼は朱元璋と名付けられた農民の子供でした。彼は最初、僧侶の道を歩みましたが、モンゴル主導の元が朝廷内の闘争で弱体化する中で反乱軍に参加し、まもなく右に出るもののいない軍事家として才気を発揮することとなりました。
胃酸逆流の症状を抑える等、一般的な胃腸薬を服用している人は、知らず知らずのうちに偏頭痛を発症するリスクを高めているかもしれません。 このような一般的な治療薬と偏頭痛との関連性について、アメリカ神経学アカデミーが発行する「Neurology Clinical Practice」オンライン版に掲載されました。研究では、胃腸薬が偏頭痛を直接引き起こすとは断定されていないものの、両者の間には何らかの関連があるのではないかと考えられています。
子供のいじめ、自殺、暴力・・・昨今、心の痛むニュースが後を絶えません。生まれてきた時は、誰もが純粋で善良だったはずなのに、何が子供たちを悪へと走らせるのでしょうか。人生には学校の教科書から学ぶことのできない、大切な価値観があることを子供たちへ伝えることが重要です。将来を担っていく子供たちに、ぜひ読んでもらいたい物語を厳選しました。
さまざまな予測不可な症状に悩まされていませんか?一つの症状が改善されると、また別の症状が現れると感じていませんか?それはマスト細胞活性化症候群(MCAS)が原因かもしれません。