ラオス住民、中国資本の観光開発に強く反対 現地調査が無期限延期に

風光明媚なラオスの村落で持ち上がった中国資本の大規模開発は、住民や現地観光業社の強い反対で、無期限に延期された。

1月中旬、中国の開発会社は東南アジアの人気観光地バンビエンを囲む、3つの村で初期調査を行った。同地はラオスの首都ビエンチャンから北へ車で約4時間のところにある。

「会社は村人の敷地や土地を調査しようとした。これに反対する村人たちと言い争いが起こった」「この騒動は地域政府当局者が仲裁に入って、ようやくおさまった」と匿名者はRFA(ラジオ・フリー・アジア)に語った。

3村にまたがるこの調査は、中国企業の「ラオス・バンビエン新地域開発会社」による開発計画の影響を受ける22村のうちの一部に過ぎない。

この中国企業は2018年、ラオス政府とバンビエン地域開発の覚書を交わした。現地メディアによると、計画は3段階で総計55億米ドルを投じて、5万人の雇用を創出するという。

村長の1人は次のように述べた。「多くの村民たちは、中国の会社による調査を望んでいない。皆、彼らに土地を奪われるのではないかと恐れている。もし住まいがなくなれば、私たちはどこへ行けばいいというのか」

バンビエン現地観光業に従事する人物はRFAに対して、中国の開発企業は虎視眈々と、計画進行のためにできることを模索していると述べた。

伝えられるところによれば、多くの村民は中国側の測量や調査に協力的ではない。当局者たちが反発を抑えるために説明しているが、住民は固く拒んでいるという。

RFA3月4日付によると、現地当局は住民の合意を得るまで、開発調査を無期限延期することを決定した。

「調査は中止になった。おそらく、現地政府が新たに調査を許可しない限り、行われないはず」住民の1人は語った。「政府は、この不満がバンビエン全地域から巻き起こっていると理解しているだろう」

この住民は、一連の反対運動は、単に貧しい村人たちによる富裕な開発者への抵抗ではないと語った。人気の観光地でビジネスをする商人や土地所有者さえも、中国の開発者が地域環境に大きな変化をもたらすことに反対している、と彼は述べた。

バンビエンの自然環境保護を担当する政府機関関係者は、ラオス政府には開発計画を中止する別の理由があるかもしれないと考えている。「調査停止の命令は、(地方政府の)非常に高いレベルから出されている」と同関係者は詳細を語らなかった。

首都ビエンチャン政府はまた、別の中国企業によるバンビエン地域開発計画を受け入れている。RFAに語った情報筋によると、この企業は、バンビエン旧空港周辺の土地の使用許可を2億ドルで取得し、ショッピングモールやホテルなど、15ヘクタールにおよぶエンターテインメント複合施設を建設する計画だという。

環境維持を考える観光専門家らは、これらの大規模開発が、ラオスにおいて貴重な観光資源である自然の美しさを破壊する恐れがあると指摘する。住民らも、生活環境の変化で混乱がもたらされると懸念している。

発展途上の東南アジア諸国のなかでも、ラオスは、海外企業の大規模投資のターゲットとなっている。特に中国、タイベトナムは投資をしており、ラオス政府はこうした魅力的なインセンティブを受けている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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