中国当局が知識人の言論統制強化 大学教授に相次ぐ懲戒処分

中国当局は知識人の言論統制を強めている。中国の著名法学者で、名門・清華大学の許章潤教授(57)はこのほど当局を批判したため、停職処分を受けた。また、四川省にある重慶師範大学は、学生からの密告を受けて、同大の唐雲副教授(56)について、授業中に「国家の名誉を害した言論があった」として、唐氏の懲戒処分を決めた。

米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)3月30日付によると、中国国内インターネットに、重慶師範大学の内部資料が投稿された。内部資料によると、同校は、唐雲副教授の2月25日の授業で「国家の名誉を害した」の発言が、「政治的規律に違反し、学校の教職員および学生に良くない影響を与えた」とし、3月20日付で教員資格の停止と降任処分を決定した。中国官製メディアの工人日報は、3月28日の関連報道で、事実であることを確認したという。

重慶師範大学が唐氏の懲戒処分を決定した後、中国ソーシャルメディアの微信では、唐氏が書き込んだとみられる文章が転載された。唐氏は、すべての学生が「イエスを裏切ったユダではない」と学生を慮(おもんばか)った。

▶ 続きを読む
関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。