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体の外に心臓が・・・あなたは「奇跡」を信じますか?

イギリス・ノッティンガムシャーに住むヴェネロペ・ホープ・ウィルキンスちゃんは、胎児の心臓が体の外で発達してしまう「心臓逸脱症(Ectopia Cordis)」という極めてまれな疾患を持って生まれました。

この疾患を持つ赤ちゃんの生存率は10%以下、無事に生まれても数日以内に死亡するケースがほとんどと言われています。しかしヴェネロペちゃんは必死に戦い、この疾患を乗り越えたイギリス初の「奇跡」の赤ちゃんとなりました。

 

ヴェネロペちゃんの両親ナオミ・フィンドレーさんとディーン・ウィルキンスさんは、妊娠9週目の超音波検査でこの事実を知りました。2人は涙に暮れましたが、生存の確率はほとんどなく唯一の選択は妊娠を諦める事、という医師の勧めを拒否する決断をしました。

母親のフィンドレーさんは「この子の心臓はしっかり動いていたのです。その強さが私たちの背中を押しました。心臓の場所は関係ない、諦めるものか、と心を決めました」とその当時を振り返ります。

2017年11月22日午前9時50分、帝王切開により生まれたヴェネロペちゃんの心臓は、予想通り胸の外に飛び出ていましたが、彼女の力強い産声は病室を歓喜で包みました。

 

しかし、困難はここからでした。生後50分には心臓を元の位置に戻す最初の手術、そしてその数週間後には、心臓を完全に胸の中に戻し、傷口に皮膚を移植する手術が待ち構えていたのです。

ヴェネロペちゃんの小さな体は、計3回に渡る大手術を懸命に耐え抜きました。

小児循環器専門医フランシス・ビューロック医師によると、術後の経過は良好でその回復力には目を見張るものがあるそうです。

 

ヴェネロペちゃんの名前は、ディズニー映画『シュガー・ラッシュ(原題:Wreck It Ralph)』に登場する、困難を乗り越え最後にはプリンセスになる「ヴェネロペ」というヒロインにちなんで付けられました。ミドルネーム「ホープ」は彼女が両親に与えた「希望」を意味します。

そして彼女の名前に込められた願いの通り、ヴェネロペちゃんは困難に打ち勝ち「希望」の象徴となりました。

父親のウィンキンスさんはこのように語っています。「私たち夫婦以外、誰も助かると思っていませんでした。これは『奇跡』以上の出来事なのです。ヴェネロペの戦いが、同じ境遇に悩む人々に『希望』とチャンスを与えるきっかけになることを願っています」

 

「奇跡」を信じましょう。その先に「希望」がありますから。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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