シドニー市内のスーパーマーケットで、空になった粉ミルク販売コーナー。「一人8缶まで」と掲示されている(GettyImages)

中国海兵、豪州産粉ミルクを爆買 シドニー港寄港中

豪メディアはこのほど、シドニー港海軍基地に停泊した中国海軍艦船の海軍兵士が、粉ミルクを軍艦へと運び入れている様子を写真に収めていた。その量は50ケースを超えるという。

現地紙オーストラリアンが掲載した写真では、中国海軍兵とみられる青い迷彩服を着た若い男性が、豪州産最高級粉ミルクの段ボールを抱えて、運び込もうとしている様子が映っている。

中国官製紙・環球時報は6月9日、匿名の軍関係筋の話として、このシドニー港訪問で、中国水兵らが合わせて50箱あまりの豪州産粉ミルクを購入したと伝えた。

2008年、中国では、大手メーカー三鹿の製造した粉ミルクを飲用した赤ん坊が、死亡したり身体障害を患ったりする事件が発生した。以後、中国メーカーの粉ミルクに対する信頼は失墜し、国内では安全基準の高い豪州や欧州メーカーの粉ミルクが2~3倍という高値で取引されている。

2019年、シドニー警察は、中国の犯罪グループ8人を、100万豪ドル相当の豪州産粉ミルクを窃盗した容疑で逮捕した。警察によると、窃盗グループは4千トンの粉ミルク、ビタミン剤、マヌカハニーを市内の住宅2軒に隠していた。これらの大半は盗まれたもので、犯罪グループは中国へ輸送して販売し、不正に利益を得ていた。

また、水兵らが搭乗する艦船をめぐっては現地で物議を醸している。中国国旗を掲げる艦船3隻が3日、オーストラリアの最大都市シドニーに突如、姿を見せた。寄港したのは揚陸艦1隻と補給艦1隻、さらに地対空および対潜ミサイルシステムを装備したフリゲート艦1隻と水兵700人が確認された。豪州政府による事前発表はなかった。中国による影響力の拡大や軍事力の誇示に対する懸念が強まる中、中国海軍の寄港を疑問視する声が出ている。

(編集・佐渡道世)

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