香港で展開されている「逃亡犯条例」改正案反対デモを支持する台湾の市民(SAM YEH/AFP/Getty Images)

香港、台湾への移住者増加 自由失う懸念

香港で、じわりじわりと失われる民主主義と自由世界。最近、台湾へ移住する香港市民が増えているという。台湾内務省入国管理局のデータによると、マカオと香港からの移民が、2014年は697人だったが、2018年には1267人に達した。

「香港の民主は段階的に侵食されている。多くの抗議活動に参加した大学生たちは、台湾、英国、日本に移住したいと話している」と、台湾に住む香港出身の大学生はこのほど、衛星放送新唐人テレビの取材に応えた。

1997年の香港返還時、イギリスは香港の自治権を守るために、中国本土の管理に置きながら自治権を持つ「1国2制度」を50年間の期限付きで設けた。

それから二十数年過ぎたが、香港市民は中国共産党による政治、教育、報道、社会に対する大幅な浸食を目の当たりにしてきた。

6月16日、200万人という過去最大規模の抗議デモに参加した、香港市民のYung Xiu Kwanさん(67)は「自由と民主主義がなければ、強制収容所や刑務所に入れられているのと同じだ。自由がないことは、死に等しい」とロイター通信の取材で述べた。

30歳の陳さんは、中国共産党による香港の自由に対する侵害は非常に早いという。「描いていた平和な家庭に、盗賊が乗り込んできたよう。家から離れざるを得なくなっている。盗賊に立ち向かう術がない」と述べた。

「私は来年妻と共に、台湾に移り住むだろう」16日のデモに参加した20代後半のメルビン・チュウさんはロイター通信に述べた。「香港の事態は悪化している。私たちは、次世代のことを心配している」

32歳の鄭忠孟(Cheng Chun-man、音訳)さんは、「台湾は香港にとって民主主義の灯台だ。香港人に希望を与えている」

(編集・佐渡道世)

関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明