三国志 ビジネス考

陳羣に学ぶ社内規定 九品官人法と出世の関係

1.陳羣と九品官人法

陳羣という名前はあまり聞いたことがなくても、九品官人法(もしくは九品中正法)についてご存じの方はいるのではないでしょうか。
そんな陳羣の作った九品官人法の意義と、現代のビジネスに活かすポイントはあるのでしょうか。

1-1.九品官人法と出世の関係

九品官人法とは、簡単に説明すると「地方の優秀な人材を中央に置くため、政府管理でランク分けを行う人物を置き、評価させる」というものです。

陳羣の作ったこの九品官人法のメリットは、旧来の地方豪族に頼る郷挙里選から、中央管理体制がより整うことで、優秀な人材の確保や、後に門閥貴族と呼ばれる、豪族の台頭を許すこととなりますが、公正な評価ができるようになった点にあるでしょう。

1-2.現代ビジネスに活かすヒントとは

陳羣が行ったこの一連の人材評価方法の改革について、現代ビジネスに活かす点はあるのでしょうか。

1-2-1.出世について

組織の拡大化を図ると、人材不足や、管理体制の不備に悩まされることがあるのではないでしょうか。

陳羣は、地方の有力人材を登用するため、評判によりランク付けを行いました。
今まで出来なかった、優秀な人材へのアプローチを行えるようになることは、当時の競合である呉や蜀に優位となることがあったでしょう。

また、アプローチされる人材にとって、中央に仕えるという、立身出世が目指せる環境下となったことも重要です。

1-2-2.内部からの組織変化について

重要な点として、この組織変化は内在的なものであって、外部からもたらされたものでないことは強調すべきです。

陳羣は社内規定(=法律)の変更も行っています。
肉刑の復活を曹操に求められたとき、鞭打ちとの違いを強調し、導入を進めたという経緯もある人物です。
上司(=曹操)の理解があること、また組織として変化を恐れなかった点に、我々も注目すべきでしょう。

2.まとめ

陳羣からもたらされた九品官人法、そこから見えてくるビジネスヒントをご理解いただけたでしょうか。
変化を恐れず、進んで改革を行った陳羣は今でも歴史に名を残す人物となりました。
歴史に名を残さずとも、私達は社内の改革を行い、社内の歴史に名を残せたら良いですね。

(日本大紀元ウェブ編集部)