大紀元時報

自宅で出産した赤ちゃん、健康を増進させる微生物を持つ 

2019年08月06日 18時19分
In The Light Photography/Shutterstock
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人類の歴史上、赤ちゃんは母親が生活をしていた場所で生まれるものでした。この一世紀で人類の誕生は自宅から病院に移りました。これによって私たちの体内で生きる微生物にどのような変化をもたらしたのでしょうか。

それを紐解くにあたり、病院で生まれた赤ちゃんと自宅で生まれた赤ちゃんの排泄物の中の微生物の違いを調べてみました。この研究の結果、病院で生まれた新生児の腸ミクロバイオームは自宅で生まれた赤ちゃんに比べて異なる可能性があることがわかったのです。そして、それによりおそらく病院で生まれた赤ちゃんは高いリスクで特定の免疫疾患または代謝性疾患をおう可能性があるということも明らかにされました。病院助産師として、私はこの研究結果を見過ごすわけにはいかないのです。

助産師について

Robin Hayes, CC-BY-SA

カンボジアのアンコールワットに、女性の出産を描いているレリーフがあります。母親は後ろから支えられ、助産師は前でひざまずいています。そして、新生児は母親の胸の上で横になっているのです。それは800年の時を超えてもなお、今日、多くの助産師が行う分娩方法と違いはありません。

助産師が何世紀も前と同じ方法で分娩をすることが何を意味するのかを考えてみましょう。細かな違いはあろうとも、ケアの考え方はほとんど同じなのです。

赤ちゃんの最初の遺伝

Gerd Altmann/Pixabay

過去10年間で、私たちの健康は、体に存在する何兆ものバクテリアと他の微生物に依存していることが明らかにされました。出産の際、膣内細菌に触れた時から、新生児に重要なコロニー形成のプロセスが始まります。赤ちゃんの多くの部分のバクテリアのコロニーは、まずは母親のものに似る傾向があります。時間が経つにつれて、皮膚、口、腸などのさまざまな体の生息地が、それぞれ独自の微生物群集を形成するのです。

私たちの発見:自宅で生まれた赤ちゃんは、有益な微生物、通常の免疫、代謝や消化機能に関連するコロニーを形成する可能性が高いのに比べ、病院で生まれた赤ちゃんは、帝王切開、抗生物質治療、調合乳などに関連した微生物がコロニーに定着している可能性が高いことがわかりました。

そこで私たちは、これらの上皮細胞を、赤ちゃんのミクロバイオームのサンプルを含む物質にさらしました。病院で生まれた赤ちゃんからの物質にさらされた細胞は、赤ちゃんが1ヶ月の時に炎症反応を示す可能性が高いことがわかりました。

平穏な出産

Monkey Business Images/Shutterstock

研究によると、赤ちゃんは出生時の膣内や母乳などから供給される母親のバクテリアの恩恵を受けることがわかっています。母親から子供へのこのバクテリアの供給は、乳児のミクロビオームの変化と関連しており、それが今度は人生の健康問題に関わってくるのです。したがって、助産師が自然な形の出産を支援するのも頷けるかと思います。

しかし、このような自然分娩が必ずしも全ての母親で行えるわけではありません。合併症が起こった際に抗生物を使用したり、帝王切開を行ったりすることもあるからです。それらは、命を脅かす緊急事態から母親や赤ちゃんを救うことができますが、その介入によって乳児の微生物に影響を与える可能性があります。

病院での出産:きれいすぎる?

Lolostock/Shutterstock

病院での出生が自宅での出生と異なる理由の1つは、病院が清潔さを優先することです。手洗い、殺菌用のスクラブ、頻繁に清掃することなど、細菌の拡散が制限されます。母親が出産に近づくと、体の下には無菌の布を敷き、時には足や腹部にもかぶせたりして、赤ちゃんの周りに「無菌の幕」を作ります。

一部の病院では、出産前に殺菌性の石鹸を使用して膣を洗浄し、ほとんどすべての細菌を破壊することがあります。出生後、赤ちゃんは母親の肌と接触する代わりに半無菌ウォーマーに連れて行かれ、赤ちゃんの目には抗生物質軟膏が塗られ、赤ちゃんを清潔にするために全身浴を行うのも一般的です。これらは新生児の体の微生物コロニーを損傷する別の原因となっています。

米国で、自宅出産を行う割合はたったの1パーセントとの結果も出ています。

私たちのこの研究により、これまで認識されていなかった自宅出産のメリットが理解していただけたなら幸いです。赤ちゃんが最初に受け継ぐ力、つまり母親からのバクテリアの力を評価することで、本当に最良な出産の仕方が見えてくるかもしれません。

※Joan Combellickは、エール大学の助産臨床助教授です。この記事はもともとThe Conversationに掲載されたものです。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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