「巨大な鳥」を形成するムクドリを捉えた素晴らしい写真

航空宇宙技術者でもあるドイツの写真家ダニエル・ビーバーは、デジタル編集なしに純粋に撮影されたものこそ最高の写真であると常々考えていました。

そんな彼が、撮影した写真を帰宅後アップロードして初めて、信じられない位すごい瞬間をカメラに収めていたとを発見。それこそまさに彼が思っていた最高の写真だったのです!

ヨーロッパで見られるムクドリは大量の群れを成して移動するため、市街地や果樹園に被害をもたらすことも。また、大量移動が民間機の飛行にも影響を及ぼし問題となっています。迷惑でもあるものの、集団飛行する習性があるからこそ、今回の素晴らしい写真が撮れたとも言えます。

彼は、スペインのカタロニアでムクドリの群れが巨大なの形になっていたところを偶然にも撮影していました。「私は長年ここでムクドリの群れを観察していて、今回は夜にムクドリが集団で眠るところを捉えたくて数日間偵察していました。何千枚も撮影しましたが、空飛ぶ巨大な鳥の形に見えるムクドリの群れ(しかも編集なし!)を撮れたのはものすごくラッキーだった」とビーバー氏。

この素晴らしい写真は実は1枚だけではなく、彼はもう1枚見事な写真を撮影しています。彼が1枚目を撮影後、群れはすぐに形を変え、また別の鳥のような形になり、それをどうにか撮影しようとしたとのこと。その後群れはまた形を変え、今度はつつく鳥のフォーメーションに。この神秘的な群れの動きは、英語で『murmuration(ざわめき)』と呼ばれています。

ざわめきとは、鷹などの大きな鳥からの捕食に対する特別な防衛メカニズムです。小さな鳥が群れになり大きなパターンを形成することでターゲットを攪乱するのです。写真を見て分かるように、それは目を見張るほどのアート!

彼はこのレアな2枚の写真にとても感動し、2017年にスイスで開催された写真コンテストに応募。15か国からの6,800枚にのぼる応募の中、見事大賞を受賞。

2018年には2つめとなるソニー ワールド フォトグラフィー アワードに応募し、自然風景カテゴリーにて大賞を狙いました。惜しくも受賞には至りませんでしたが、最終候補者の1人として表彰されました。

(大紀元日本ウェブ編集部)