子どもとのチャット全てに返信すべき? 無限のチャットが子どもをダメにする理由

10代の子どもを持つ筆者ですが、10代の若者を間近で見ていると、テクノロジーの発達によりティーンエイジャーのあり方そのものが根本的に変わってきているように思えます。

10代の若者は頻繁に、特に夏に友達と外出し、彼ら独自の世界も有しています。思春期は親の監督や助言なしに自分自身で物事を考え、解決し、自立への一歩を踏み出す時期です。これは子どもの成長における重要な過渡期であり、一生ものの自信と能力の基礎を培う時期なのです。

以前は、夏にティーンエイジャーが一度出かけると出かけっぱなしでした。しかし近頃は、スマートフォン片手に、多くの若者が一日中親と連絡を取り合っています。落ち込んだり嬉しかったり、または何か問題があれば、助言や意見などを求めてすぐチャット。そして大抵の場合、即座に返事をもらいます。

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テクノロジーの発達により、子どもが自分で物事を考える必要性がなくなっています。子どもが自分で考えたり仲間と困難や喜びを分かち合う機会を、人生は山あり谷ありだと学ぶ機会を、テクノロジーが奪っているのです。一昔前の世代はそれ以外の方法がなかったこともあり、ある時期になると親の元を離れ自立するために外に飛び出していました。その結果、大人になっていったのです。

現代のコミュニケーションの結果、私たちは意図せず無力で未熟な人間を育ててしまっているのです。テクノロジーは、自立を志す過程でのみ得られる自信、根性、立ち直る力を若者たちから奪っています。子どもと常に連絡できるから、子どもは常に親を頼れるからといって、お互いがそれに付き合う必要はないのです。

では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか?

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まず、子どもとのチャットにひっきりなしに返信し続けることの長期的な影響を認識することです。子どもが求めるようにいつでも返事や助言を与える親であり続けることは気分がいいかもしれませんが、実際は自立できず自信も持てない人間を育てているのです。文字通りいつまでも手取り足取り育てていたら、子どもは一生自立できません。

子どもとのチャットから距離を置くことは賢明で愛のある選択です。なぜすぐに返信しないのか、それが子どもの自立に一役買っているという意図を説明しましょう。可愛い子には旅をさせよ。長い目で見ると、目の前の問題を解決してあげるよりもっと素晴らしいものを子どもに与えられるはずです。

もちろん、子どもとコミュニケーションをとるなというわけではありませんが、子どものことを想うのであれば、親として絶え間ないチャットを止める必要もあるということです。年配で経験のある私たちが一歩引き、子どもたちが自分たちで羽ばたく道筋を作る…全ては親である私たちにかかっています。

(大紀元日本ウェブ編集部)