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激変する中国 母親失踪、頼れる親族なし 託児費も払えず、幼子を駅前に残すしかなかった父親の現実

中国・深センの地下鉄出口に置き去りの幼子3人【動画あり】 

2025/09/22
更新: 2025/09/22

中国・広東省深センの地下鉄11号線・宝安駅の出口で、3歳の男児と1歳半の双子の妹が長時間放置されていた。撮影日は9月16日。周囲に大人の姿はなく、一人は走り回り、もう一人は敷物に横たわり、さらにもう一人は通行人に手を振っていた。そばにあったのは水とわずかな食べ物だけ。

その光景を収めた動画は瞬く間に拡散し、世論を炎上させた。父親は生活費を得るため、バイクで客を運んでいたという。

炎上を受けて複数の中国メディアが報じ、父親の何さんは取材に応じた。数か月前に妻が失踪し、両親もすでに亡くなっているため、頼れる親族はいないという。唯一の収入は街を走り回って客を拾うバイクタクシーで、月2千元(約4万円)の託児費すら払えなかった。彼は「子どもを駅前に座らせ、顔見知りの同業者に気づいたときだけ見てもらうしかなかった」と明かし、「三人とも聞き分けがよく、疲れれば寝て、腹が減れば肉まんや菓子を買って食べさせている」と語った。

 

(地下鉄駅の出口で一人で遊ぶ幼い子ども、そばに大人の姿はない、2025年9月16日、深圳)

 

映像が広まると、ネット上では「危険すぎる、人さらいに遭ったらどうするのか」との批判と同時に、「制度があればこうはならなかった」との同情の声も相次いだ。

地元メディアによれば、当局は批判を受け子どもたちを一時的に地域施設で保護したとされる。しかし現地からは「夕方6時になっても子どもたちはまだ駅前にいた。政府の対応は形だけだ」との証言もあり、発表との食い違いが指摘されている。

超高層ビルと経済成長を誇示する大手メディアが描くのは「繁栄中国」の幻影にすぎない。駅前に置き去りにされた幼い子どもたちの姿こそ、その裏に隠された最も赤裸々な現実である。

 

地下鉄駅の出口で一人で遊ぶ幼い子ども、そばに大人の姿はない、2025年9月16日、深圳(映像よりスクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!