2010年1月、バスケットボールの試合を観戦している、ジョー・バイデン副大統領(当時)と息子ハンター・バイデン氏(GettyImages)

バイデン氏息子、中国投資会社の取締役辞任も「数百万ドル資産保有」

2020年大統領選民主党最有力候補であるジョー・バイデン氏の息子が、国防総省の定める「戦略的競争相手」である中国の企業に、積極的に投資していることが注目されている。

バイデン氏は13日、息子ハンター氏が上海の未公開株投資会社の取締役を辞任すると発表した。しかし、専門家の分析によれば、ハンター氏はまだ数百万ドルの資産を保有している。

ジョー・バイデン氏は10月13日、ハンター氏が創業に関わった、中国の未公開株(PE)投資会社・渤海華美(上海)股権投資基金管理有限公司(渤海華美、別名BHR パートナーズ)の取締役を、今月末で辞任すると発表した。

ドナルド・トランプ大統領が9月25日、父親ジョー・バイデン氏がオバマ政権時に副大統領を務めていたころ、ハンター氏が中国ビジネスで「非常に急速に」数百万ドルを得たと発言した。

大統領は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との共同記者会見で、「バイデン氏の息子は、世界で最大級の投資ファンドで50億ドルもの取引をした。しかし、その資金は中国から出せないものだ。恐ろしい事だと思う」と述べた。

2018年に米国で出版された『秘密の帝国』の著者ピーター・シュバイツァー氏によれば、2013年12月、バイデン副大統領(当時)と、息子のハンター氏は、米空軍機に乗り中国北京を訪問した。2人は10日間の滞在中、国営で中国政府系・中国銀行子会社と米投資会社ローズモント・セネカ・パートナーズ(Rosemont Seneca Partners)が10億米ドルを出資して、米中合弁投資ファンド・渤海華美を新設した。

ブルームバーグにある企業情報によると、ローズモント・セネカ・パートナーズは、中国に巨額投資する米企業のひとつで、代表はハンター・バイデン氏。渤海華美は、中国の新興企業Megvii(北京曠視科技有限公司)が開発した顔認識プラットフォーム「Face++」に投資している。Face++の顔認識技術は、中国公安当局が監視システム構築のために採用している。

2019年10月3日、トランプ大統領は、中国がバイデン前副大統領と息子の中国ビジネスについて調査する必要があると公に調査協力を呼び掛けた。

「辞任後も株を保有」

有志の共和党系情報サイトFactCheck.orgが伝えた専門家の分析では、同社に対するバイデン氏の出資額は数百万ドルにのぼると推定している。

サイトによると、渤海華美では無給の職位に就いているというバイデン氏だが、2017年10月、会社の10%の株式を42万ドルを「投資」して取得したと、弁護士ジョージ・メジレス氏は述べた。

シカゴ大学ブース・ビジネススクールのスティーブン・カプラン氏は、バイデン氏の持分が50万ドル未満とは信じがたいと語った。

なぜなら、渤海華美はすでに20億ドルを運用しているからだ。このため同社の10%の株価が42万ドルであるはずがなく、それよりもはるかに上回る価値があると推計できるとした。カプラン氏は、ハンター氏が継続して投資していたことから、株価は「数億ドルを超える」と考えている。

バイデン氏の弁護士メジレス氏は、もしジョー・バイデン氏が大統領に選出されれば、バイデン氏は「海外でのビジネス上の利益に利益相反の可能性がある」と付け加えた。

ハンター氏は、2020年に父親が大統領に選出された場合、外国企業の取締役会に参加したり、外国企業に勤めたりしないことを約束した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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