香港で1月13日午後8時頃、警察の油塘紀律部隊の寮が入っているマンション集合地の一棟から男性が転落した(大紀元合成)

「自殺」男性の映像が出回る 複数の不審点=香港

香港で1月13日午後8時頃、警察の油塘紀律部隊の寮が入っているマンション集合地の一棟から男性が転落した。警察は自殺と断定した。しかし、その様子を撮影した映像がインターネットに広く出回り、その不自然な落下から、ユーザーは「自殺説」を疑っている。

警察によると、29階と30階の中間階の窓から転落したのは、郭という34歳の男性。ビルの住民ではないという。身体をかがめて転落した後、全身を強打して死亡した。

出回っている映像によると、男性の身体は「倒立した状態」で、まるで人形のように手足に力がない様子であることがわかる。ネットユーザーは、自殺者がこの姿勢で自ら落下するのは非常に難しいと指摘した。

警察が、映像を撮影したフィリピン人の家政婦を「警察寮の撮影」を理由に逮捕したとの情報もある。撮影者の姉を名乗る女性がインターネットで訴えた。「香港は長い間、言論の自由が失われている。中国本土と同じだ」と書き込んだ。この撮影者の逮捕について、事実確認はできていない。

2019年6月の「逃亡犯条例」改正反対運動の市民活動以降、水死体や転落死が検証なく「自殺」として処理されていることから、市民たちの間で、警察や当局に運動参加者は「自殺させられる」との疑惑がくすぶっている。

2019年11月20日、治安当局は、2019年1~10月で6584人が死亡し、そのうち608人は「自殺、絞首、高所から転落」と述べた。また当局は11月13日、6~9月の間、警察は256件の「自殺」が発生、2537人の遺体を確認したという。これは、前年比で10%増加した。

これまで香港市民が「自殺させられる」疑惑について、映像を確認できたのは1月13日の男性が初めて。市民団体は、この男性の落下について、他の防犯カメラの様子など調査を公開するよう、警察当局に求めている。

(趙若水、梁珍/翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明