掛谷英紀コラム
左翼の天敵は「自然」である
今、中国では新型コロナウイルスが猛威を振るっている。過去約30年の間、中国は経済的にも軍事的にも順調に成長を続けてきた。しかし、今回の疫病による混乱は、中国にとって大きな転換点になる可能性が高い。
改革開放路線を始めて以降、中国は東西冷戦終結と経済のグローバル化を追い風にして、人、モノ、金、情報の自由な移動が可能となった国際社会の新たな枠組みを最大限に利用してきた。冷戦時代には東西の間に壁があったため、東側諸国は自由主義国の発展を自国内に取り入れることができなかった。その結果、共産主義国は冷戦に敗れた。
今、中国は自由主義国から何でも自由に取り入れる一方、自国から出ていくものは独裁体制によって完全に管理することができる。外国の技術は盗み放題だが、自国の情報は徹底的に管理できる。この非対称な競争では、独裁国が自由主義国に勝利するのが自然の成り行きである。その非対称なゲームのルールを変えようとしたのがトランプ政権の対中政策である。しかし、米国は民主主義国である。バイデンのような親中派が大統領になれば、非対称なゲームに逆戻りする可能性もある。
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1月5日の米国ジョージア州上院議員決選投票で、民主党が2議席とも確保し、上院で民主党が過半数(議長の副大統領票を含む)を確保した。1月6日にはジョー・バイデンが正式に次期大統領として議会に承認された。これで、大統領は民主党、議会も上院、下院ともに民主党が過半数というトリプルブルーの状態が確定した。日本にとっては悪夢である。
前回のコラム『今必要なのは「中国から国民を守る党」』で述べた通り、バイデン政権の誕生が確実になり、日本の親中派は勢いづいている。12月14日に全日空が成田ー深圳路線を再開したのに続き、12月18日に国土交通省は、12月21日から中国・韓国便の到着を新千歳空港にも認める通知をした。
日本では早速、バイデン当確による悪影響が出始めている。米国の対中強硬政策が緩和されることを見越して、日本の親中派が勢いづいている。中国を含む自由貿易協定RCEPへの加入や中国とのビジネスを目的とした往来の再開がそれを象徴している。今年の春節に来日した中国人旅行者に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を持ち込まれて、今も感染者が再度急増している中、往来を再開するとは非常識極まりない。そもそも、中国におけるウイルスの発生源は現時点でも全く分かっていない。今、何よりも中国に求めるべきは、国際的
米国大統領選の決着がもつれている。誰が大統領になるかはまだ分からないが、一つだけはっきりしたことがある。バイデンが圧勝すると予想していた大手メディアはみな大ウソつきだったことだ。しかし、相変わらず彼らに反省の気配はない。彼らは我々と違い、己の不明を恥じるという思考回路が脳から欠落していると解釈するしかないだろう。
新型コロナウイルスのパンデミックで社会のリセットが起きている今、ポストコロナの時代に日本の大学がポリコレ難民を受け入れるという構想を検討するよい機会である。