【紀元曙光】2020年3月23日

新宿にある、小さな映画館で『馬三家からの手紙』を見てきた。同館での上映は3月21日から始まっている。

▼上映はいつまでですかと聞くと、「はっきり決まっていませんが、3週間か4週間でしょう」とのこと。ならば小欄は(この映画館とは何の個人的関係もないが)読者諸氏をはじめとする多くの人にお薦めして、何週間も続くロングランになるよう願いたい。

▼映画の内容については、大紀元の紹介記事などをご参照いただければ幸いである。説明を短くするなら「今の中国にアウシュヴィッツがある」ということだが、それでは少々足りないので補足する。馬三家(マサンジャ)は遼寧省瀋陽市の近く、中国各地に複数ある労働教養所(労教)の一つである。

▼いずれも残虐を極めることは変わりない。ただ、ガス室で全員を殺すアウシュヴィッツと異なる点として、馬三家などの労教は「改造」を行うのである。肉体を徹底的に痛めつけることで、精神を崩壊させてしまう。さらには、信仰を棄てさせたその人間を「宣伝」に利用する。その意味では、ガス室より陰湿で、悪魔性が強い。

▼馬三家にいた収容者が、命懸けで書いた英文の手紙。それがハロウィンの玩具に入れられて、米オレゴン州に届く。手紙を見つけたのは、ごく普通の主婦だった。彼女はその手紙に自己の使命を感じて、地元の新聞社に持ち込む。

▼この女性が「動いた」ことが、この映画、いや実話の、最大のポイントである。小欄の筆者は、多くの日本人に、あなたも「馬三家からの手紙」を受け取った人になっていただけることを、切に願っている。

(筆者追伸)現在、中国の非人道的な労働教養所は、この映画の影響もふくむ海外からの批判により、表向きはないとされている。しかし、暴力と洗脳という、中国共産党による労教の「機能」は、変わりなく存在している。

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