大紀元時報

ロックダウンの規制を守らない人がいる理由

2020年04月06日 18時50分
各人のユニークな側面は、現在のパンデミック対応の中で、異なる機会と異なる危険性を見ることを意味します (DimaBerlin/Shutterstock)
各人のユニークな側面は、現在のパンデミック対応の中で、異なる機会と異なる危険性を見ることを意味します (DimaBerlin/Shutterstock)

私たちはそれぞれ異なる羅針盤で世界をナビゲートし、チャンスを捉える者もいれば、リスクに注目する者もいる。

ロックダウンやソーシャルディスタンス(社会的距離)に関する新しいルールに対して、人によって反応が非常に異ります。驚く人がいる一方で、安心した人もいます。この違いは何によって引き起こされるのでしょうか。

私たちは皆、世界の同じ出来事を見ているのだから、同じように反応すべきだと考えがちです。しかし、人間はそのようには出来ておらず、私たちの脳では違ったことが起きています。感覚を介して送られてくる情報、つまり見たり、聞いたり、感じたりするものを私たちは全て取り入れることは出来ません。代わりに、私たちの生活で自分に最も関係のある情報に注意を払い、それを使ってその出来事の解釈を作り出しています。つまり、何が起こっているかを解釈したストーリーを自分自身に語りかけて、そのストーリーに反応しているのです。そして、私たちはそれぞれ異なるストーリーを書く著者なのです。

なぜ人が同じ出来事に対してこれほど異なる反応を示すのか、それを理解するヒントがここにあります。私たちは自分が注目する部分を取り上げて異なるストーリーを構成し、そのストーリーによって、どう反応するか決めているのです。

私たちが過去の経験に基づいて世界を理解していることを知っていれば、ロックダウン規制の異なる解釈がどのように引き起こされたかが分かってきます。いくつかの例を以下に挙げてみました。

良い結果に近づくこと vs 悪い結果を避けること

脳の主な機能の1つは、報酬をもたらすチャンスと、肉体的、精神的に傷つく可能性のある落とし穴に気付くことです。私たちは、自分が考えた潜在的な報酬と罰のバランスに基づいて何をするかを決めます。しかし、報酬と罰の重みは個人によって異なります。極端な場合には、明るく輝かしいチャンスしか見えず、潜在的な落とし穴に気づかない人もいます。また、落とし穴があまりにも明らかなため、報酬の可能性にまったく気づかない人もいます。

この様な異なる人たちが、ロックダウンに関する政府のメッセージをどのように捉えるかを考えてみましょう。報酬だけを見ている人たちは、仕事も休みで日光が溢れている今は、郊外に遊びに行くチャンスだと思うでしょう。彼らは自分や他人の健康に害を及ぼす可能性のある落とし穴に気づかないでしょう。落とし穴が見える人たちは、中共ウイルスに感染する可能性を心配し、家にいることで自分と家族を守りたいと思うでしょう。

内向型 vs 外向型

人と関わることが苦手な人にとって、愛する人たちと一緒に家にいて、社交的に振る舞う必要がないことは、実際ほっとするかもしれません。しかし、外向的な人にとっては、これは相当な試練となります。なぜなら、彼らは大切な喜びの一つを失ったからです。ビデオ通話やチャットルームを使うことで若干緩和出来るかもしれませんが、社会的な接触を求める欲求は完全には満たされません。

目的がある人 vs 時間がある人

仕事がテレワークに移行しただけで、今までと相変わらず、あるいはさらに多忙な人もいます。一方で、普段のルーティーンを完全に失い、それに代わるものが何もない人もいます。仕事が忙しく、仕事を管理する新しい方法を学んでいる人は、ルーティーンを完全に失い、時間を埋めるために新しいことを探している人より、ずっと楽に新しい状況に慣れることができます。

不確実なことが平気な人 vs そうでない人

確実性を必要としていて、自分が物事をコントロールできるように感じたい人もいれば、物事に反応することを楽しみ、新しいチャンスをもたらす大きな変革の可能性にワクワクしている人もいます。極端な場合には、中共ウイルス拡散防止に関する現在のメッセージについて、非常に異なる解釈をするでしょう。

不確実性と曖昧さが嫌いな人は、正しい行動を伝える明確で曖昧さのないメッセージを求めます。彼らは、外出しても安全かどうかについて、いろんな異なるメッセージがあると落ち着きをなくし、より警戒的な判断をしがちです。

不確実性と曖昧さが平気な人は、常にチャンスを探しているので、その混合したメッセージさえ聞こえてきません。「以前は不可能だったけど、今出来るようになったことはなんだろう?」といったように彼らは変化を楽しみ、ビジネスや家庭生活、社会生活でそれを活用する方法を探すでしょう。ビデオ通話で子どもの遊びの日程を決めたり、遠隔で雑用をこなしたり、ビジネスのすべてをオンラインに移したりします。

私たちができること

未知の変化にはたくさんの反応の仕方があり、私たちは今までの経験に合わせて、それぞれが自分のストーリーを創り上げています。どのストーリーも完全に正しかったり、完全に間違っていたりすることはありませんが、だからといってお互いを理解しやすくなるわけでもありません。

私たちが協力し合うためには、自分が自分自身の現実を創り上げていて、そして地球上の他のすべての人もそうであることを忘れないでください。彼らのストーリーに興味を持ち、なぜあなたのストーリーと違うのか考えてみてください。さらに、現在の状況について実際に知っていることをまとめ、その情報を使って複数の異なるストーリーを作成してみてください。これらはすべて、ありうる結果のうちの1つにすぎないことに気付くでしょう。その中からより良い、しかし現実的な未来を予測してくれるものを選びましょう。この不安定な時期を乗り越える手助けになるかもしれません。


パトリシア・リデル氏は、イギリスのレディング大学の応用神経科学の教授である。この記事はThe Conversationに最初に掲載された。

(大紀元日本語ウェブ編集部)
 

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