Pixabay

悲しみの5段階を乗り越える

人は誰もが悲しみにあった時、すぐには受け入れられません。感情が不安定で考えがまとまらず、頭が混乱してしまうのです。

 悲しみを忘れるためには、ある程度の時間と過程が必要です。妻や夫、親、兄弟、子供など親しい人が亡くなったり、離婚などの悲しみを経験すると、人は悲嘆にくれながらも定められた精神的プロセス(段階)をひと通り経験しなければなりません。

 人の悲しみの過程は5段階ありますが、進む速さは個人差があります。ある人はひとつの心の状態(段階)から抜け出せず、心が癒される最終段階までたどり着けずに止まってしまうかもしれません。立ち止まった不完全な状態では心が癒されないため、もう一度最初の段階から5段階までやり直す場合もあります。

 他の人が、悲しむ人を無理やり次の段階へ押し上げることもできません。本人が自覚し、自分のペースでそれを乗り越えなければならないのです。一歩前に進み、2歩後退することもあります。悲しみを経験した人は皆、最終的に全ての段階を乗り越えていくでしょう。

悲しみの5段階

第一段階:拒否

「こんな事が私に起こるはずがない」と精神的に受け入れず、夫や妻が生前によく座っていた場所を整えるなど、故人がまだ生きているかのように振る舞います。頭では失ったことを分かっていても、泣くことはせず、事実を受け入れられない状態です。

第二段階:怒り

「なぜ私が・・・」というやり切れない気持ちになります。離婚した相手を非難したり、先に亡くなって自分を置き去りにした相手を責めたりします。

第三段階:交渉

離婚寸前の時、配偶者が離れていかないよう懇願する段階です。なんとか相手の気持ちが変わって欲しい、あるいは戻ってきて欲しいと神に祈り、哀願する人もいます。

第四段階:落胆

希望のない、打ちのめされたような気持になります。フラストレーションや苦い思いを抱え、落ち込みます。愛する人を失った悲しみに加え、未来の夢、希望、計画を失い、嘆く時期です。感情をコントロールできず、自殺したい気持ちにかられることもあります。

第五段階:受容

「あきらめる」ことと、「受け入れる」ことは異なります。失ったことを忍従するのではなく、素直に受け入れることが大切です。

 ただ静かに我慢するのではなく、失った事実を自分自身が認識しなければなりません。結婚し、離婚したのは2人の意志です。亡くなった配偶者は、わざとあなたを置き去りにしたのではありません。失った苦しみをしまい込まず、表面に出してしまうことで人は解き放たれ、結果的に癒されます。

 私たちの悲しみの最終的な段階とは、個人的な成長にあります。人は皆、失った人の記憶に浸り、心の痛みを覚えます。しかし、それは人間としてごく普通の感覚なのです。

 今のあなたには信じられないかもしれませんが、いつの日か、きっと新たな愛や喜びが訪れるでしょう。自分の将来に向かって希望を持ち続けることも、あなたにとって大切なことなのです。

(翻訳編集・山崎)

 

関連記事
1271年、モンゴルのフビライ・ハンが元を建て、初めての漢民族以外の皇帝となりました。その後、数十年にわたり、中国はかつてない規模の帝国となり、元は文化の多様性と国際貿易の栄えた時代となりました。
明の最初の皇帝・太祖の生い立ちは、朝廷生活とはほど遠く、彼は朱元璋と名付けられた農民の子供でした。彼は最初、僧侶の道を歩みましたが、モンゴル主導の元が朝廷内の闘争で弱体化する中で反乱軍に参加し、まもなく右に出るもののいない軍事家として才気を発揮することとなりました。
胃酸逆流の症状を抑える等、一般的な胃腸薬を服用している人は、知らず知らずのうちに偏頭痛を発症するリスクを高めているかもしれません。 このような一般的な治療薬と偏頭痛との関連性について、アメリカ神経学アカデミーが発行する「Neurology Clinical Practice」オンライン版に掲載されました。研究では、胃腸薬が偏頭痛を直接引き起こすとは断定されていないものの、両者の間には何らかの関連があるのではないかと考えられています。
子供のいじめ、自殺、暴力・・・昨今、心の痛むニュースが後を絶えません。生まれてきた時は、誰もが純粋で善良だったはずなのに、何が子供たちを悪へと走らせるのでしょうか。人生には学校の教科書から学ぶことのできない、大切な価値観があることを子供たちへ伝えることが重要です。将来を担っていく子供たちに、ぜひ読んでもらいたい物語を厳選しました。
さまざまな予測不可な症状に悩まされていませんか?一つの症状が改善されると、また別の症状が現れると感じていませんか?それはマスト細胞活性化症候群(MCAS)が原因かもしれません。