ビデオ会議アプリ「ズーム」インドも公用停止 セキュリティ問題を懸念(Getty Images)

ビデオ会議アプリ「ズーム」インドも公用停止 セキュリティ問題を懸念

インド内務省は、情報処理の安全に懸念があるとして、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」の使用を禁止にした。ズームは、中共ウイルス(COVID-19、新型コロナウイルス)の感染拡大により多くの人々が自宅待機するなか、世界で最も利用されているアプリのひとつ。インドでも数百万人の利用者がいる。

インド内務省は4月16日の声明で、「ズームは安全なプラットフォームではないため、政府職員や公務員は公用では使用しない」とした。同省はまた、民間や一般の利用者に対しても、同アプリを利用した時に生じる、乗っ取りや嫌がらせを避ける方法を助言している。

ズームは20日、インド政府の決定を受けて、インド内務省と協議すると発表した。ズームはよりセキュリティ性の高いビデオ通話のエンドツーエンド(E2E)暗号化に取り組むという。

インド政府のサイバー・コーディネート・センター(CyCord)およびコンピュータ緊急対応チーム(CERT-in)は16日、ズームのセキュリティ上の脆弱性について政府に警告していた。

台湾政府も最近、ズームの公的利用の禁止を決めた。シンガポールでも11日、公立学校がオンライン授業を行っている最中、不審者の乱入により不適切な映像が生徒向けに流れたとして、ズームの利用を中断した。米連邦捜査局(FBI)によれば、同様の事例が米国複数の都市で報告されている。

コネチカット、ニューヨーク、フロリダを含む複数の米国地方検察は、ズームのプライバシーとセキュリティ慣行を調査している。

ズームを提供する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは、米カリフォルニア州サンノゼに本社を置く。創業者である中国出身のエリック・ユアン(袁征)最高経営責任者(CEO)は、米IT機器大手シスコ(CISCO)で技術責任者のトップを務めたが2011年に離職。ズームを設立した。ユアン氏によると、ズーム利用者数は昨年12月は2000万人だったが、今年3月で2億人に急増したという。

ブルームバーグによると、4月8日、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの株主は、セキュリティの脆弱性や許可のない第三者への利用者情報漏えいで、同社を証券詐欺で提訴した。

 

カナダのトロント大学のインターネット研究機関シチズン・ラボ(Citizen Lab)の調査報告によると、ズームは、標準外の暗号化方式を使用しており、中国にデータを送信していると指摘した。ズームは、中国の3つの支社で合計約700人の従業員がアプリの開発に携わっている。 

(翻訳編集・佐渡道世)

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