令和の御代になって1年が過ぎた。季節は初夏。陽光に映えるツツジが美しい。
▼自然は変わらないが、人々の暮らしは昨年と全く違うものになってしまった。今年を振り返ると、1月頃から中国武漢での中共ウイルス感染が爆発的に広がり、急速に世界へ、日本へと緊張感が高まってきた。
▼2月から3月は、どうだったか。東京や大阪などの都市部で、「オーバーシュート」「ロックダウン」「クラスター」など得体の知れない横文字が、まるで不気味なウイルスを代替するかのように「繁殖」し、人々の不安をあおった。
▼1か月前、2か月前のその時、私たちは5月1日の現状をどれほど正確に想像していただろうか。小欄の筆者も反省する部分がある。今年の花見は「ブルーシートの宴会は無理だが、小人数で歩きながら見るぐらいは良かろう」と思っていた。甘かった。
▼情況は、どんどん変わる。今は、もっと深刻になることも覚悟しておかなければならない。その上で、深刻にさせない努力を、皆で実行していこう。と言いながら、朝からパチンコ店の前に並ぶ一群をニュースで見ると、ああ情けなや、海外メディアに配信される「日本の恥」を知らぬかと頭をかかえてしまう。
▼時代劇などで、傷口を焼酎で洗っている場面を見る。昔の人は、衛生学など知らないから経験から学んだのだろうが、はじめにその消毒方法を考えた人は偉いと言ってよい。酒造各社が、医療現場で不足している消毒用アルコールの製造に、「もうけは度外視」で名乗りを上げているという。多く聞きたいのは、こういう頼もしいニュースである。