大紀元

珍しい人体形の生薬 何首烏

人体の姿に似ている生薬として、薬用人参がよく知られているが、もう一つあまり人々に知られていない生薬に、「何首烏(カシュウ)」というのがある。写真は、中国の広州市白雲区金沙洲の建築現場から掘り出された50センチもの長さの何首烏である。あまりにも人間の姿に似ているので、誰かが人工的に作った贋物ではないかとも議論されている。確かに、これまでにも度々、人間の姿に似た何首烏が発見されてきた。何首烏に関して、次のような伝説が残されている。

昔、順州の南河県に何田児という人がいた。何田児は体が弱く病気がちで、性欲もなく、58歳になっても、結婚していなかった。ある日の夜、彼は酒に酔った後に山野で寝込んでしまった。目が覚めると、2株の植物の蔓が互いに絡み合っては離れ、また絡み合っては離れる、これを繰り返しているように見えた。不思議に思った何田児はこの2株の植物の根を掘り出して家に持って帰った。村人に聞いてみても、誰もこの植物の名前が分からなかった。村人にこのような珍しい植物は仙薬かもしれないと言われて、何田児はこの植物を干してから粉末にして、酒と一緒に飲み始めた。数カ月後、彼は元気になり、性欲も出てきて、2年後には体が完全に健康になり、白くなった髪も黒くなり、結婚して子供も生まれた。そして、何田児の子孫は、代々この薬を飲む習慣を引き継いで、皆が健康で長寿であった。髪が黒くなる効果があるので、孫の一人に何首烏という名前をつけたという。

生薬として使っている何首烏は、タデ科ツルドクダミの塊根を乾燥したものである。宋の時代の『開宝本草』に収載されており、滋養、強壮、肝臓と腎臓を補益する作用がある。貧血、白髪、抜け毛、早期老化、高血圧、動脈硬化、皮膚掻痒症、腰痛、性機能減退、乾燥性便秘症などに使われている。ちなみに、何首烏の生薬は500gが2500円で、ネットでも購入することができる。

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