【紀元曙光】2020年5月27日

海外では「日本モデルは成功した」と評価されているらしい。ひとまず、そうしておこう。
▼非常事態宣言は解除されても、ウイルスがなくなったわけではない。私たちは油断することなく「新しい日常」を築き上げていく。久しぶりに都内の電車(昨日までは自転車を多用していた)に乗ってみると、乗客のほぼ全員がマスクをつけていた。
▼医療用の特殊マスクでなければ、細菌よりはるかに小さいウイルスを遮断することはできない。では、私たちが日常生活のなかでマスクをつける意味は何かというと、手で直接鼻や口を触らないことに加えて、お互いに気遣って「安心の風景」を作り出すため、つまりマナーとしての意味がある。
▼キリスト教世界の人から見て、日本人が宗教的信仰をもたない(ように見える)のは理解しがたいことらしい。葬式用の檀家仏教はあるが、人間の生き方の指針となる「教え」にはなっていない。
▼「では、宗教の代わりに、何が日本人に規律をもたらしているか」と聞かれて、ここでようやく、日本には武士道に基づく「恥」の文化がある、と答えられる。武士道とは、自分自身への責任感であるから、国から示された罰則規定がなくてもよい。恥ずかしいと思えば、究極的には、自ら切腹する。
▼この2か月。ごく一部に恥を知らぬ人はいたが、日本人はよくやってきたと誇りにしてよい。その一方で、すでに閉店や廃業を決めた人々の涙も忘れまい。そして、もう一つ、忘れてならないのは、この中共ウイルスを完全に滅するため、全国民が「中国共産党、許さず」の強大な念をもつことである。