世界貿易機関(WTO)が入るビル、参考写真(GettyImages)

トランプ大統領、中国の「発展途上国」地位を批判

ドナルド・トランプ米大統領は3日、メディアインタビューで、グローバルに活動する企業や団体が中国共産党の発展を助け、世界と米国に害を与えていると批判した。 また、中国が発展途上国としての地位を活用し、他国を利用して富と権力を得てきたと強調した。

トランプ大統領は3日、Newsmax TVの司会者で元ホワイトハウス報道官のショーン・スパイサー氏との独占インタビューに応じた。

トランプ氏は、グローバル化した組織が、共産党政権の中国を世界経済大国にするよう支え、他国に害を与えていると指摘した。特に、米中貿易では30年間、略奪的な取引を行っていた。

また、世界貿易機関WTO)は中国に関して失敗だったという。トランプ氏は、中国が「発展途上国」としての特別な「地位」を持っていることを指摘し、それが他の国を「利用」して富を得て発展することを可能にしている一方で、貿易、製造、技術、イノベーションの面で米国の足を引っ張っている。

「中国が発展途上国なら、われわれも発展途上国だ 」とトランプ大統領は述べた。

米トランプ政権は、米中貿易戦争の際、中国を発展途上国から除外すべきだと何度も言及している。5月27日のホワイトハウスでの中国に関する記者会見でも、中国共産党がアメリカの雇用を奪い、WTOの公約に違反していることを非難した。 

1月22日、スイスのダボス会議でも、トランプ大統領はWTOの改革を促進するために行動すると述べ、長い間、いくつかの問題でWTOのメンバー国と議論していると述べた。一つは、中国とインドがWTOで発展途上国として取り扱われ、優遇措置を享受していることだとした。

トランプ大統領は、自身が就任以後、米国は大きな経済成長を遂げたが、中国からウイルスがやってきたと批判した。「中国は感染拡大を阻止できたはずだ。ウイルスは中国からだ」と改めて中国を非難した。いっぽう、米国経済の回復に自信を持っていると述べた。「大統領選挙までには、経済は驚くべき成長を遂げると信じる。 雇用が大量に増え、GDPが伸びるだろう」とした。

トランプ政権は、過去の政権が「経済が発展すれば中国は自由な国になる」との期待のもとで、中国に投資を続けてきたことを批判している。米国が対中融和路線だったクリントン政権時代の2001年、中国はWTOに加盟した。以後、安価な中国製品が世界中に押し寄せた。加盟後、中国の対外貿易は20%増、30%増と二桁増を続けた。

しかし、共産党体制の中国は、期待された民主主義国家にはならず、むしろ社会主義の世界拡大を強化し続けた。

ホワイトハウスの国家貿易委員会ピーター・ナバロ委員長は著書のなかで、中国共産党経済の不正を指摘している。たとえば、米国の知的財産や技術情報の広範囲な窃盗、自由経済に基づく国際的な取引のバランスを乱す、中国政府による中国企業への大量の補助金、計画経済による通貨安誘導の為替操作、安価な製品には安すぎる労働者賃金が背景にあることなど。ナバロ氏によると、中国では、不当に収容された多数の「無実の囚人」が、ほぼ無賃金で海外メーカーの製品を受注して、強制労働させられている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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