【紀元曙光】2020年7月5日

(前稿より続く)ソ連は、米国と同等の軍備を揃えようとして無理を重ね、ついに息切れして1991年12月、崩壊した。
▼そこには、追随するソ連をスターウォーズ計画で一気に引き離すという、当時の米国大統領ロナルド・レーガンの豪胆な戦法があった。
▼中国は、ソ連と同じ轍は踏むまいとしている。米国と同等の軍事力をもつことは始めから諦め、ただ東アジア地域で米国が無視できない程度の軍備を保有する。それを回数多く動かし、あとは報道官に演技させることで存在感を示そうとする。東シナ海に島をもつ日本にとっては蠅がたかるようで目障りだが、例えば、中国が保有する空母など無用の長物であることは、空母の実戦経験を豊富にもつ日本には自明のことと知っておきたい。
▼米国は今、中国共産党の真正面に立ちはだかっている。それは宇宙の神が、そのように配置したものである。日本の政治家やテレビコメンテーターは、「今こそ日本は、米中関係の改善に貢献せよ」などと能天気なことを口にすべきではない。それを言うのは、よほどの無知か、中共に関係があるかのどちらかであろう。
▼かつて日本は、米国と戦った。それは相撲の十両が大関にぶつかっていくような無謀な戦争だったが、初期の戦闘において日本は、米国を驚愕させるほどの戦果を上げた。日本軍は、兵の練度において米軍に勝っていたのである。
▼もちろん、日本人だけでも300万人が死んだ歴史を、繰り返してはならない。米国が日本に落とした二発の原爆は、もはや戦争ではなく、日本が降伏しないうちに早くやりたかった実験だったのだろう。(次稿へ続く)