【紀元曙光】2020年7月18日

台湾で13日から17日まで、中国共産党の軍隊である人民解放軍が軍事侵攻してくることを想定し、大規模な軍事演習が行われた。
▼軍事のことではなく、16日に、視察のためその場に現れた蔡英文さんのことを書く。小柄なお体だが、軍人と同じ迷彩服とヘルメットに身を固めた勇姿は、台湾国民の気持ちを集められるという意味で、お見事と言ってよい。
▼そうなることを望むわけではないが、有事の際には、中華民國総統である蔡氏は軍の最高指揮官となる。ここでの有事とは、大陸側が野心をもって台湾を侵略してくることで、その逆はない。実際、この演習期間にも重なる16日から19日に、中共軍機が台湾の防空識別圏に侵入する挑発行為を繰り返している。ゆえに蔡総統は、凛とした姿を自国民と中共に見せなければならない。日本の政治家に、同様の覚悟ありや。
▼備えあってこその国家である。備えとは、物質的な防衛力ばかりでなく、国民の意識が基盤にあってこそのものだ。日本は普通選挙ができる良い国ではあるが、無能な政治家も、敵に利するのが好きな不思議な政治家も、国民の選挙で選ばれてくるのである。
▼日本でのコロナ感染拡大防止も、それに関係する経済の停滞回避も、もちろん喫緊の課題である。「マスク、手洗い、3密を避ける」も結構であるが、まだ日本人は、有効かつ本質的な認識まで至っていない。
▼「ウイルスがどこから来たのか、知らなければならない」。今年4月、米国に命懸けの亡命をした閻麗夢さんの言葉である。これを換言すれば、中国共産党の本質を見極める、となる。(次稿に続く)