【紀元曙光】2020年9月18日

いずれ、いや、まもなく、風呂桶の湯が一気に流出するような珍現象が起きる。
▼中国の高官たちは、形式上は中国共産党の栄誉ある党員だが、国家に対する忠誠心も、本当の意味での愛国心も、全く有していない。その目的は、権力を笠に着て得られる金銭や利権などの「うま味」である。彼らの間では、不正蓄財の額と愛人の多さが、おかしな自慢の種になるほど本末転倒しているのだ。
▼「鯛は頭から腐る」。今年2月の衆議院予算委員会で、そんな暴言を、日本の前首相である安倍晋三さんに投げた野党議員がいた。言うのは勝手だが、その言葉、北京の中南海にいる、習近平氏をはじめとする党中央常務委員会の7人に向かって、同じ議員の口から聞いてみたいものだ。
▼ないものねだりを承知で書こう。「いいですか安倍総理。中国ではねぇ、生きた人間の臓器が奪われてるんですよ。人権問題ですよ。なのに日本政府は何も言わない。なんでやねん」と言って、日本政府と政権与党のお尻を叩く野党議員がいてもよさそうに思うのだが、野党も無知なのか低能なのか、さっぱり出て来ない。情けない限りだ。
▼中国の高官、つまり中共の幹部たちは今、在地が中央であれ地方であれ、不正蓄財した金を密かに外国の銀行に移し、自身も海外逃亡の機会を伺っている。「裸官」という中国語は、もう10年以上前から使われているが、ある程度の財力をもつ中級以上の党員が、家族を先に海外へ移住させ、自分一人だけ中国で官職を続けていることをいう。
▼用意した「逃げ場」がいよいよ役に立つ。そう彼らは考えているはずだ。