大紀元時報

賢者の知恵 偉業を成し遂げる者の四つの「守り」

2021年02月27日 23時51分
中国古代の賢者たちは四つのことを大切にしていました(志清/看中国)
中国古代の賢者たちは四つのことを大切にしていました(志清/看中国)

偉業を成し遂げた歴史上の人物には、共通する特徴があります。それは、「愚、静、時、信」の四つを守ることです。

「愚」を守る

『史記』によると、孔子は若い頃、老子に人生のアドバイスを求めたことがあります。老子は「良賈は深く蔵して虚しきが如く、君子は盛徳ありて容貌愚なるが如し」と言いました。

その意味とは、聡明な商人は、自分の富を奥深くしまって隠し、外見が空っぽであるかのように見せ、高尚な君子は、高い徳があっても表に出さず、容貌が愚か者のように見えるということです。傲慢と貪欲な心を捨て去ってこそ、聖人になれるのです。

ことわざの「大智は愚の如し」がまさにこのことを言っています。「難得糊塗(バカは得難し、愚者になるのは難しい)」というのは、昔から世渡りに長けると言われる処世術です。多くの人々が追求しているその「バカ」の知恵と境地は、老子が言う「愚の如き大智」のことです。自分の才能をひけらかし、他人を卑下することもいけません。あまりにも自己の才能を自慢しすぎると、嫉妬されやすくなるどころか、敵を作りやすくなります。

「静」を守る

大きな出来事があっても、常に冷静であるべきです。「静」は、古代中国人が推賞する大いなる知恵です。

『老子道徳経』には、「静は躁(そう)の君たり」という伝えがあります。その意味は、冷静さを表す「静」は、人の中にある短気を鎮めることができる、というものです。『大学』にも、「静かにして后能(よ)く安し、安くして后能く慮(おもんばか)る、慮りて后能く得」という伝えがあります。すなわち、冷静になってから気持ちが落ち着くことができ、そのうえでよく思考することができるので、得をすることができます。冷静さは落ち着く、考える、得をするための基本だとも言えます。

心を静めてからこそ、本当の楽しみを見つけることができます。大空に目を向けてからこそ、大きな視野を得ることができます。

心が静かではない人は、本質的な思考をするのが難しく、傲慢でせっかちになりやすいでしょう。一方、心が静かな人は、物事をよく観察して判断し、深く掘り下げて思考するため、問題の解決策を見いだしたり、人生の悟りを察知したりする傾向があります。

物静かな人こそ、暮らしのなかの幸せと美しさを発見できます。逆に、せっかちな人や焦っている人は、幸せや美しさを見逃してしまいます。

人生において、様々な艱難辛苦に遭い、もしくは無駄に思える時間を過ごしてしまうことがあるでしょう。しかし、冷静で、淡白な心を持っていれば、雑踏に紛れず、自分だけの静けさを見つけて、おおらかな人生を送ることができるのです。

「時」を守る

君子は、ただ時間を守るだけではなく、時(タイミング)を待って、機会(チャンス)を掴み、時機の到来を待つことができます。

優れた才能と本領を持つ君子は、見せびらかすことはなく、必要なタイミングだけ発揮します。つまり、見られていない時には自分を磨き、来るチャンスを待ち、才能と本領を十分に発揮することが大事です。

時機は客観的なものであり、人為的なものではありません。私たちは時機を作ることはできませんが、時機を待ち、掴むことができます。これが「時」を守るということです。これができる人は、時機が来る前に十分な準備をしておき、チャンスを見逃すことはありません。

「信」を守る

孔子の『論語』に、「人にして信無くんば、其の可なるを知らざるなり」という伝えがあります。その意味とは、人として信用がなければ、上手くやっていくことはできないということです。

春秋時代、呉の季札が晋に初めて訪問した際、北方の徐を通過しました。

徐の国の君主は、季札の帯びた剣をとても気に入っていましたが、口には出しませんでした。 一方、季札は徐の君主の気持ちを察していましたが、他国を訪問しに行かなければならないので、徐の君主に自分の剣を献上しませんでした。

その後、季札は任務を果たし、徐を再び通過した時、徐の君主はすでに亡くなっていました。季札は自分の剣を解いて、徐の君主の墓前の木に吊るしました。「徐の君主はもう亡くなられました。いったい誰に宝剣を差し上げるのですか?」と、季札の従者は尋ねました。季札は「そうではありません。私は心の中で、この剣を徐の君主に差し上げようと決めていたのです。その君主が亡くなったからといって、心に決めた約束を破るわけにはいきません!」と答えました。

季札は心の中だけで他人と約束したのに、その約束を守り抜きました。それに対して、今日の多くの人は、口にした言葉や書き出した約束をどこまで守れているのでしょうか。

「信」を守り、約束を破らないことは、どんな大金でも買えない人格的魅力です。他人からの信用は、自分の他人の中での存在価値ですので、決して信用を失ってはいけません。信用を失うことはこの上ない破綻です。「信」を守ることが、好感や支持を得る必要不可欠な条件です。

(翻訳・徳永木里子)

(看中国より転載)

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